来院日

2018年11月中旬

患者さん

Y・Mさん 男性 60歳代 パートタイマー

悩み

来院される際の朝、起きて首を軽く動かすようなストレッチをしていた際に筋を痛めてしまったとのことでした。

その日は痛みがどんどんひどくなる、という感覚はなく左右に動かしたり前後に動かすときに痛みがでるため、不自由を感じていらっしゃいました。

そして翌朝目が覚めてまた普通に動かしてみようとしたところ、前日よりも悪化しているような痛みを感じたそうです。

もともと剣道をされていて、たまたま3週間ほど前に左足をくじいたため、今の期間は練習を休んでおられました。

ですが、足の調子が戻り次第練習も再開しようと思っていたところ、首の痛みが出てしまったのです。

練習に戻りたい気持ちもあるけれど、首の痛みがもっと続いてしまったら…という不安があったため、しっかり治療しようと思われたそうです。

たまたま娘さんが近いときに当院に来院されていて、話を聞いたため一度行ってみようと思い、お越しいただいたということでした。

この患者さんの検査をしていくと、今回の症状は首の捻挫が起こっていると考えられました。

捻挫、というと足首に起こるものをイメージされると思います。

骨を骨を結ぶ関節がある以上、そこは捻挫します。

簡単に言うとストレッチをした際に捻ったのが原因と考えられます。

患者さんの症状は?

患者さんの症状を検査したところ、この方の症状は首の捻挫(ねんざ)でした。

首の捻挫(ねんざ)とは?

首に起こる捻挫はあまりイメージがないかもしれませんが、関節があるところでならどこでも捻挫は起こり得ます。

よく聞くのが寝違えという名称ですが、これも首の捻挫の一種であり、他にも普通に振り向く、上を向く、などの動作で関節をひねって捻挫になることもあります。

寝違えのように明確な原因の場合は別名がありますが、それ以外の普通にひねったときの名称が「首の捻挫」になるだけなので、大きく種類が変わるわけではありません。

首の捻挫が起こる理由

首の関節は動く範囲が非常に大きいのですが、首には脳へとつながる重要な多くの神経や血管、そして頭を支える筋肉が密集しています。

その分頑丈にできているかと言われたら、そうではなく、むしろ関節の動きが大きいからこそ不安定なのです。

そして首は、真横、真上、真下などの大きく動かせる範囲の動きに弱く、強く動かしすぎることで神経や血管などを傷つけてしまうこともあるのです。

首周辺の筋肉が固まり、動きが悪くなっているのにもかかわらず通常よりも大きく動かすようなストレッチも首にとっては負担となります。

今回の患者さんの場合の原因は?

今回の患者さんに関しては、ストレッチのために首をまわしたところ、角度が悪く首をひねったようなかたちでした。

これには前段階で原因があります。

もともと剣道をされていて、家でも素振りをしたり体を動かして、毎朝ストレッチをしていたにも関わらず首の捻挫をしてしまった理由。

それは、根本的に姿勢が悪かったのです。

一見するとこの方の姿勢は真っ直ぐに伸びてきれいにみえているのですが、無意識に背中や腰の筋肉を使う姿勢だったのです。

力が全身に入ってしまうため、うでや首にも力が入りすぎていました。

姿勢が丸くなっているわけではなく、背筋を伸ばす為に腰や背中に強く力を入れるている状態でした。

背骨全体に力が入ってしまうと首の骨の部分も硬くなります。

本来前向きにカーブする湾曲がなくなり、首を後ろに引く、と言う動作ができなくなります。

その結果、頭の位置が本来あるべき場所より前側にある状態になっていました。

もう一点気が付いたのが、右側のうでの動きが悪く、内向きにねじれていることでした。

うでをあげた際に腕の付け根から首にかけての部分に痛みがありました。

検査してうでのねじれを矯正してからあげてもらうと、痛みはなくなりました。

つまりこれらの姿勢とねじれを治療していくことで、首の痛みは改善していける、とお伝えしました。

 

剣道の姿勢も背筋を伸ばさなければならない、ということもあるのですが、その癖が普段の姿勢にも影響していました。

普段は仕事でマンションの管理もされており、清掃などで下を向いたりほうきを使って2~3時間作業をしたりすることもあるそうです。

その疲労も積み重なって体が硬くなっているタイミングで、たまたま毎朝習慣でしているストレッチで首を動かしたときに、角度が悪く首の筋肉を痛めてしまった、という状態でした。

今回はさらに足の捻挫もあった為、余計に肩の力が入りやすかったことも関係していたのでしょう。

剣道にも安心して復帰して続けていけるように、首の痛みは根本的に取りたい、とのことでしたので、姿勢の改善も行う必要がある旨もお伝えしていきました。

首のねんざに対する一般的な治療方法は?

整形外科では寝違えや首をひねった場所のまず骨や軟骨に異常がないかの確認をします。

一般的に病院に行かず、シップを貼ったりそのまま日にち薬で痛みが引くのを待っているだけ、ということも多いかと思います。

首の硬くなった筋肉を直接強い刺激でマッサージしてしまう場合がありますが、硬い部分に強い刺激を入れてしまうことで、筋肉の防御反応が強く出る場合もあり、より痛みが増してしまうこともあります。

じっとしてても痛むような激しい痛みが出た場合は、炎症が起こっている可能性もあるためアイシングを行なう必要があります。

特に痛みがでてすぐは首の痛むところは冷やして、全身は温める、というように場所によって対処の仕方を変えることも必要です。

基本的には安静にして、痛みが出るような動きは控えるようにしましょう。

動かしたら早く治る、と思われがちですが、痛みがあるときに痛みが出るような動きはしない方がいいです。

なので特に首のストレッチなどは控えるようにしましょう。

動かしても痛みではなく突っ張るような感覚になってきたら、少しずつ動かす範囲を広げていくようにするのがベストです。

今回行なった治療方法は?

腰と背中の筋肉の張りをとるように緩めていき、首と肩甲骨の矯正、さらにうでのねじれをとる矯正を行いました。

日ごろの姿勢に関しては、まず背中と腰の力を抜くために「背筋を伸ばす」という意識の仕方を変えてもらいました。

座っているときに気を付けるのはお腹に力を入れることと頭を若干後ろに引くようにする、この2点だけを意識する、というように変えていただきました。

最初は自分で力が入っている、という感覚はなかったので驚かれていました。

そしてお腹を意識して凹ませると背中や姿勢の感覚が変わることを実感されていました。。

足の捻挫をしていたところも痛みがだいぶなくなってきたので、剣道の方も再開していきました。

生徒さんに頭を打たせる練習は、首に衝撃が強く入るため徐々に様子をみながら、ということにしました。

姿勢で肩や首、腰に力を入れないように意識してもらうようになってから、剣道の時にも竹刀を振るときに少しずつ無駄な力が入らないようになってきた、とおっしゃっていました。

首の動きをつけるための運動なども伝えて、背筋を伸ばすことではなく、頭の位置で姿勢を整えていけるようにしました。

 

お家では娘さんと姿勢の注意をそれぞれが見張る形で意識できているとのことでした。

首の痛み自体は少しずつ軽減していき、斜め下を向いたときの痛みは改善されました。

あとは首を左から回したときのある一点でのつっぱりと痛みが最後の方まで残りました。

重ねて首の調整や肩甲骨、うでの矯正も行なっていきました。

ストレッチのほかにも手のひらを上に向けて座ること、背もたれに頭や背中、腰がついているかを意識することをしっかり心がけてくださいました。

結果どの様になったのか?

結果的に最後の施術後に首を回しても痛みが出ないところまで改善できました。

姿勢も最初と比べるとかなり背中の力が抜くのがうまくなっており、習慣が身についてきていました。

頭を少し後ろへ引く、ということだけの意識は常にもっておけるようにこれからも続けていきましょう、とお話しました。

痛み自体はもう気にならないところまできていたので、施術は終了としました。

また三日以上首に違和感が出る日が続いたら、我慢せずに早めにみせてください、と目安だけお伝えしました。

直筆の声

*個人の感想であり保証するものではありません

 

ひこばえ整骨院の首の痛みに対する治療

ひこばえ整骨院では首の痛みの治療を非常に得意としています。

悪い部分だけを見るのではなくそれ以外の歩き方や立方体の使い方を全て見て一番最適な治療方法を選んで行きます。

もしあなたが寝違えなどによる首の痛みに悩まれているならば是非下記をご覧ください。

 

 

執筆者

ひこばえ整骨院 院長 齋藤 克也(監修)

柔道整復師(国家資格保持者)

業界歴17年。

18歳の頃から整骨院1筋で西宮市で痛みに悩まれている方のお役に立てる様に日々精進中。

現在ストレッチの本を執筆中。6月に発売予定。

 

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