
症例の概要
坐骨神経痛と診断され、長期間にわたってお尻周囲の痛みに悩んでいた40代女性の症例です。
一昨年の12月頃から尾てい骨周囲に違和感が出始め、整形外科で坐骨神経痛と診断されました。
電気治療やけん引などのリハビリを3〜4か月続けましたが、ご本人としては大きな変化を感じられず、その後はベッドから起き上がることもつらくなっていきました。
特につらかったのが、横になっている時や朝起き上がる時です。
ヨガインストラクターとして身体を動かす仕事をされていましたが、前屈することにも不安を感じ、レッスンでの動きをセーブするようになっていました。
患者さん
Y・Kさん 40代女性
職業:ヨガインストラクター
来院:10月下旬
来院時のお悩み
一番のお悩みは、横になっている時の痛みが強く、十分に眠れないことでした。
- 横になっていると痛みが強くなる
- 朝、ベッドから起き上がるのがつらい
- 身体を前に倒す動作が怖い
- 身体を動かしている時の方が比較的楽
- 動き続けると徐々につらくなる
- ヨガのレッスンで動きをセーブしている
仕事柄、普段から身体を動かしていたため、「どこをどのように直せばよいのか分からない」ということにも悩まれていました。
これまでの経過
一昨年の12月頃から尾てい骨周囲に違和感を感じ始めました。
最初はストレッチをしながら約3か月様子をみていましたが、変化がみられなかったため整形外科を受診し、「坐骨神経痛」と診断されたとのことです。
その後、電気治療やけん引などのリハビリを3〜4か月続けましたが、ご本人としては改善を感じられませんでした。
別の整形外科も受診し、今度は「軽度の腰椎椎間板ヘルニア」と「初期の変形性股関節症」を指摘されたとのことでした。
食事管理やストレッチを勧められ、その後も約3か月セルフケアを続け、整骨院や鍼灸院にも通いました。
それでも痛みが続き、次第に睡眠や朝の起き上がり、前屈など日常生活や仕事にも影響するようになったため来院されました。
当院で確認した身体の状態
来院時には、特に右側のお尻周囲に症状がありました。
股関節の動きを確認すると左右差がみられ、股関節周囲を動かした後には、その場で痛みに変化がみられました。
立ち方を確認すると、膝が内側へ入りやすく、特に右側にその傾向がみられました。
また、上半身にも左右のねじれがあり、膝周囲へ力が入りやすい状態でした。
ヨガインストラクターということもあり、普段から姿勢や身体の使い方には意識を向けていましたが、痛みが出てからは身体を守ろうとして必要以上に力を入れてしまう場面もありました。
そのため、お尻の痛みがある部分だけではなく、股関節・膝・足首・骨盤・上半身まで確認しました。
施術の考え方
坐骨神経痛は、お尻から脚にかけて現れる痛みやしびれなどを表す言葉であり、その背景にはさまざまな状態が考えられます。
今回の方は医療機関で坐骨神経痛、軽度の腰椎椎間板ヘルニア、初期の変形性股関節症を指摘されていました。
一方、当院で身体を確認すると、股関節や膝、足首の動き、立っている時の力の入り方などにも特徴がみられました。
そこで、お尻周囲だけに施術を行うのではなく、まず下半身の動きを確認しながら施術を進めました。
股関節・膝・足首、骨盤周囲を確認し、その後の状態に合わせて背骨や肋骨周囲についても施術しました。
また、セルフケアを強く行いすぎる傾向があったため、「たくさん行う」ことではなく、行う内容や回数の目安を決めて取り組んでもらいました。
施術後の経過
初期
まずは股関節・膝・足首など下半身の動きを確認しながら施術を行いました。
ご自宅では膝周囲のセルフケアと、立っている時に脚へ力を入れすぎないことを意識してもらいました。
セルフケアについては、強く行いすぎないよう回数や強さの目安もお伝えしました。
約2週間後
膝周囲の動きに変化がみられ、当初は内側へ動きにくかった股関節にも変化が出てきました。
立ち方についても、足裏全体で立ちながら、脚や膝に必要以上の力を入れないことを意識してもらいました。
徐々に痛みの程度も軽くなり、来院当初のように「痛くてなかなか寝付けない」という状態は少なくなっていきました。
前屈時の痛みも軽くなり、朝起き上がる時や寝る前の痛みが残る状態になりました。
その後
下半身の状態に変化がみられたため、上半身についても確認しました。
背骨から肋骨周囲の動きや身体のねじれを確認し、ご自宅でも取り組める方法をお伝えしました。
さらに立ち方が安定してからは、歩く時の踏み込みや足の置き方、足首の動きなどについても確認しました。
一度にすべてを変更するのではなく、その時点で優先したいポイントを順番にお伝えしながら進めました。
最終的な経過
最終的には、寝る時や朝起き上がる時に感じていた痛みも気にならなくなりました。
また、痛みのためにセーブしていたヨガのレッスンについても、通常通り身体を動かせるようになりました。
その後は、ご本人の希望もあり、身体の状態を確認しながら2週間〜1か月程度の間隔でメンテナンスを行うことになりました。
院長の考察
今回の症例で特に重要だったのは、ヨガインストラクターとして普段からストレッチや運動を行っていたにもかかわらず、症状が長期間続いていたことです。
ストレッチや運動そのものが悪いわけではありません。
ただし、症状がある時には「何をするか」だけではなく、その時の身体の状態に合わせて、どの程度行うのかを考えることも大切です。
今回の方は、自分で身体を何とかしようとしてストレッチやトレーニングを強く行う傾向がありました。
そこでセルフケアの量を増やすのではなく、立ち方で力を入れすぎないことや、股関節・膝・足首の動きを確認するところから進めました。
その後、下半身の状態に合わせて骨盤、背骨、肋骨、歩き方へと確認する範囲を広げています。
最終的には、睡眠を妨げていた痛みや朝の痛みが気にならなくなり、ヨガの仕事でも通常通り身体を動かせるようになりました。
坐骨神経痛という同じ診断名であっても、症状の出方や身体の状態は一人ひとり異なります。そのため、診断名だけで施術内容を決めるのではなく、実際にどのような動作で困っているのかを確認することが重要だと考えています。
患者さんの直筆の声


※施術による変化には個人差があります。本症例は一例であり、同様の結果を保証するものではありません。
坐骨神経痛でお悩みの方へ
坐骨神経痛と診断されても、痛みの場所や強くなる動作、日常生活で困っていることは人によって異なります。
今回の方は、身体を動かしている時よりも、横になっている時や朝起き上がる時に痛みが強く出ることが特徴でした。
ひこばえ整骨院では、症状がある部分だけではなく、身体の動きや立ち方・歩き方なども確認したうえで施術方針を考えています。





