来院日

 

10月下旬

 

患者さん

 

Y・Kさん 40歳代 女性 ヨガインストラクター

 

悩み

 

一昨年の12月ごろから尾てい骨に違和感を覚えはじめたそうです。

ストレッチなどで回復していくかな、と3ヶ月ほど様子をみていたところ一向に良くならないので整形外科を受診。

そこで「坐骨神経痛(ざこつしんけいつう」であると診断を受けたそうです。

そこから電気治療やけん引のリハビリを3~4ヶ月していてもこれでも全く改善がなかく、だんだんベッドから起き上がることも辛くなってきたのだそうです。

別の整形外科を受診すると、今度は軽度のヘルニアと初期の変形性股関節症(へんけいせいこかんせつしょう)という診断を受けたそうです。

手術を勧められることはなかったそうですが、食事管理とストレッチを勧められたとのことです。

そのまま3ヶ月ほどストレッチを続けたり、他の整骨院、鍼灸院に通ったりもしたそうですが改善は見られませんでした。

最近では横になった体勢での痛みがきつく、しっかり睡眠朝起き上がることや体を前に倒す動作がしんどくなってきてしまったということでした。

まだ動いているときの方がましで、仕事柄基本的に体は動かしているとのことでした。

ですが、動かし続けていてもだんだんしんどくなる、体を前に倒す動作をすることがこわくてできない、ということも悩まれていました。

何より一番は眠れないことがつらく、将来的に変形が悪化しないかという不安もあり、今後も痛みが出ないように治療したい、ということでした。

 

 

患者さんの症状はどんなものか

実際この方の症状は右側の坐骨神経痛(ざこつしんけいつう)でした。

坐骨神経痛は病名ではなく症状の総称ですので、今回は梨状筋症候群(りじょうきんしょうこうぐん)からくる坐骨神経痛、という状態です。

 

梨状筋症候群からくる坐骨神経痛とは

 

坐骨神経痛にはいろいろな原因がありますが、今回はこの梨状筋症候群が原因で起こる坐骨神経痛についてお話します。

梨状筋というお尻の筋肉が硬くなることで、坐骨神経(ざこつしんけい)という神経を圧迫してしまいます。

その結果、坐骨神経の神経支配にある部分に痛みやしびれが起こるものをいいます。

これが坐骨神経痛です。

坐骨神経は腰からお尻に伸び、梨状筋(りじょうきん)の下を通って腰から下半身に向けて伸びています。

坐骨神経痛の症状は、主にお尻や太もも、足の外側やかかとにかけてのしびれや痛みです。

症状が現れる程度や場所は人によって違います。

梨状筋症候群はスポーツをしている人や歩き回ることが多い人、立ちっぱなしが多い人などに見られることが多いです。

 

梨状筋症候群の原因は?

梨状筋症候群の原因は、主に梨状筋が硬くなって伸び縮みできなくなることが原因となります。

ランニングなどスポーツをしている人がなりやすく、使い過ぎによるもの、と言われています。

ですがランナー全員が梨状筋症候群になるわけではない、ということは使い過ぎだけが原因ではないということになります。

そして、梨状筋症候群の本当の原因は体の使い方が悪いことです。

日常生活の動作や立っているとき、歩いているときなどの足の使い方、結局はこれらが原因になります。

そのため運動をしている人も、していない人でも梨状筋症候群が起こる可能性があるということです。

立つときや歩くときに外側に体重をかける癖がある場合に、梨状筋の筋肉が常に収縮(筋肉が短くなる事)して力が入っている状態になります。

その状態が続くと筋肉が硬く縮こまって膨らんでしまうため、坐骨神経の通り道をふさいでしまいます。

座る体勢でも、背中を丸くして骨盤が後ろに倒れるような猫背の状態で長時間座ることが多いと原因になります。

体重で梨状筋が圧迫されるということは坐骨神経も圧迫されることになり、痛みやしびれがでます。

この場合、左右のどちらかに出ることが多いのは無意識にそちらに体重をかけている、ということです。

梨状筋が引き伸ばされても坐骨神経を圧迫する形になります。

どういう状態かというと、内股(うちまた)のような股関節が内側にねじれているときです。

股関節が内側にねじれるというのは、太ももの骨が内側方向にねじれた状態をいいます。

梨状筋はお尻の仙骨(せんこつ)から太ももの骨である大腿骨(だいたいこつ)に向かってついています。

そのため大腿骨が内側に向かってねじれていくと、だんだん梨状筋は引き伸ばされる形になって、常に筋肉が張った状態になります。

筋肉にとっては、縮こまるようにずっと力が入っている状態でも、引き伸ばされている状態でも一定方向に力が働き続けることはよくないのです。

そのため、立つときに外側に体重をかけすぎても、足が内側にねじれていても梨状筋が硬くなることに繋がります。

そのためまっすぐ、正しい位置に関節を矯正して修正するのです。

 

患者さんの症状の原因は?

 

 

今回の方の原因は後者の方で、股関節が内側にねじれてしまうことで結果的に梨状筋が引っ張られている状態でした。

検査で股関節の動作確認をし、梨状筋の動きをつけてからの痛みの変化を確認した所、その場で軽減する反応が見られました。

次に立ち方をみたところ、膝の位置が内側に入るようになっていて、特に右側がねじれていました。

そして上半身は左を向くような形でねじれていました。

ひざ周りに力が入りやすくなっていたため、余計に腰や股関節に負担がかかりやすい状態を無意識につくってしまう癖があったのです。

梨状筋が硬くなることで、仙腸関節(せんちょうかんせつ)という骨盤の関節の動きも悪くしてしまいます。

その結果仰向けで寝ているときに、仙腸関節の柔軟性がなくなることで骨盤の動きが固定されてしまい、一点に負担が集中する形になり痛みが出てしまう、という状態でした。

動いているときはまだ体全体が動くため、梨状筋や仙腸関節の動きもある程度出てくれますが、使いすぎるとそれも負担となってしまいます。

なので日中の軽く体を動かす時間帯が一番マシで、体が硬くなりやすい朝や、一日の疲労が出てくる夜に辛さが顕著に表れていたのです。

ヨガの講師をしていらっしゃるため、姿勢には気を付けていたそうなのですが、痛みが出てからどこをどう直したらいいのかわからない、と悩まれてもいました。

整形外科で診断を受けたように、初期の変形性股関節症がある場合、関節を元通りの関節に戻す、ということはできません。

ですが使い方をしっかり変えていくことで今の状態を維持して悪化させない、ということはできます。

そのためその旨も説明して治療に入っていきました。

 

 

坐骨神経痛の一般的な治療法は?

 

梨状筋が原因の坐骨神経痛の一般的な治療法というのは、梨状筋を緩めることがメインです。

治療法を考えるとき、手術などの血を見る方法は観血療法といい、特にメスも入れずにそのままの状態で治療する方法を保存療法といいます。

基本的には保存療法が選択されることが多く、特にブロック注射といって、梨状筋に直接打つことで筋肉のゆるみを強制的に出すことができるようになります。

もうひとつ、筋肉を緩めるのではなく、坐骨神経の感覚を鈍くするブロック注射を打つ方法があります。

症状が軽い場合はストレッチを勧められ、湿布や痛み止めなどの薬物治療になることが多いです。

 

今回行なった治療方法は?

 

今回の方は、特に股関節のねじれが強く、膝の位置が内側にある状態になってたため、そこからメインで動かしていきました。

体の使い方を変えていくために、股関節のねじれを矯正していきました。

股関節の矯正をしていくにあたって、膝のお皿の骨自体を動かして緩めていく必要がありました。

施術の中では全体的に股関節、膝、足首の矯正と、骨盤の動きをつけるような矯正もあわせて行なっていきました。

坐骨神経の痛みはお尻に感じていますが、原因は股関節からのねじれによるものなので、股関節から動かしていくようにしました。

体の負担にならないように、まずは下半身のねじれ、動きから変えていくようにしました。

日常生活の中で気を付けてもらうこととしては、膝の動きをつけるためのマッサージを行うようにお伝えしました。

膝のマッサージは以下のものを参考にしています。

 

どうしてもマッサージやストレッチを強くたくさんやってしまいがちになる、とのことだったので、こちらから指導することも目安と上限を定めて行なってもらいました。

そこから徐々に立ち方、その時の力の入れ方を変えて指導していきました。

以前お尻の痛みが出始めたころに、自分なりに体を見直そうと、トレーニングにも行かれていたそうなのですが、そのときに力の入れ方を強く意識していたそうです。

その時に変に力んでしまうような、力が入りすぎてしまうような癖がついてしまっていました。

足の裏をしっかり地面につけて3点重心を心がけ、足の力は抜き膝は常に柔らかく保てるように立ち方の意識を変えていきました。

膝のマッサージとこの立ち方に集中してもらって2週間ほどで膝の動きがつき、股関節が内側に向いて固まっていたのが外に動くようになってきました。

立ち方が安定してきたので骨盤の傾きも矯正し、自分でできる矯正の仕方もお伝えしました。

少しずつですが、痛みの程度も引いて来院当初のような寝付けないほど痛みはなくなっていました。

前屈時の痛みも減ってきて、あとは朝の起き上がりや、寝付く前の痛みがまだ少し残るような状態でした。

骨盤までのバランスがとれてきたので、最後に上半身も動かしていきました。

真っ直ぐにしている状態が若干右に向かってねじれてしまいやすくなっていたので、背骨の方から肋骨にかけての矯正を行ないました。

自宅でも背骨の向きを調整していけるようにフェイスタオルを使った矯正お伝えしていきました。

全体のバランスがとれて立ち方が安定してから歩き方も変えていきました。

歩き方を意識しやすくするために、踏み込みの練習なども追加していきました。

それに合わせて足首を柔らかく動かすストレッチなども行うようにしてもらいました。

そして足の置く位置や足の指の使い方、肩に力が入ってしまうところなど、を意識してもらうように変えていきました。

 

結果痛みとしびれはどの様になったのか?

最終的に寝るときの痛みや朝の痛みもなく、気持ちよく体を動かすことができるようになっていました。

ヨガのインストラクターさんなので、レッスンでの動きもセーブしていましたが、普通に体を動かしていけるようになっていました。

梨状筋のゆるみを出すこととしてはストレッチなどど目的が一緒なのですが、股関節のねじれがあるとストレッチをしただけではなかなか元には戻らないのです。

ねじれや関節の硬さは矯正を行なわなければ自然には戻らなくなっていくため、痛みはだんだん増えていきます。

筋肉を付けたり自分なりに体の動かし方を変えたりしていっても姿勢が改善されないのはそのためです。

最初の頃に行なったようなストレッチやトレーニングも治療法としては間違っていないのは事実です。

ですがこの方にとっては先に体のねじれや使い方を変えてからでなければならなかった、ということです。

今後も、インストラクターの仕事をしながら自分の体と向き合っていくためにも、メンテナンスの治療を行なっていくことになりました。

2週に一回~1ヶ月に一回、というかたちで頻度は状態に合わせながら行うことで、ご本人も安心できる、とのことでした。

直筆の声

 

ひこばえ整骨院の梨状筋症候群と坐骨神経痛に対する治療

 

ひこばえ整骨院では坐骨神経痛の治療を非常に得意としています。

悪い部分だけを見るのではなくそれ以外の歩き方や立方体の使い方を全て見て一番最適な治療方法を選んで行きます。

もしあなたが坐骨神経痛による痛みやしびれで悩まれているならば是非下記をご覧ください。

 

執筆者

ひこばえ整骨院 院長 齋藤 克也(監修)

柔道整復師(国家資格保持者)

業界歴16年。

18歳の頃から整骨院1筋で西宮市で痛みに悩まれている方のお役に立てる様に日々精進中。

現在ストレッチの本を執筆中。年内に発売予定。

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