
症例の概要
62歳の男性で、以前から右肩に痛みがあり、高い場所の物を取ろうと腕を上げたときや、水泳のクロールで腕を回したときに痛みを感じていました。
これまでに2か所の整骨院へ通い、肩の筋肉や骨盤について説明を受けて施術を受けていましたが、ご本人としては思うような変化を感じられない状態が続いていました。
先に奥様が当院へ来院されており、そのご紹介をきっかけに来院されました。
当院で身体を確認すると、右肩周辺だけでなく、右腕の筋肉の緊張や腕の向き、右手首の動きにも特徴がみられました。
患者さん
62歳 男性 会社員
来院時のお悩み
以前から右肩に痛みを感じており、特に腕を大きく動かす場面で困っていました。
- 高い場所の物を取ろうと腕を上げると右肩が痛む
- 肩を大きく回すと痛みが出る
- 水泳のクロール動作で右肩が痛む
- 2か所の整骨院で施術を受けても思うような変化がなかった
日常生活だけでなく、普段行っていた水泳でも痛みが出ることが大きな悩みとなっていました。
これまでの経過
右肩の痛みが続いていたため、これまでに2か所の整骨院へ行かれていました。
1か所では肩の筋肉が硬くなっていること、もう1か所では骨盤の状態について説明を受け、それぞれ施術を受けていました。
何度か通院したものの、ご本人としては肩の痛みに大きな変化を感じられなかったとのことです。
その後、先に当院へ来院されていた奥様からの紹介をきっかけに、一度身体の状態を確認してほしいということで来院されました。
当院で確認した身体の状態
初回は痛みのある右肩だけではなく、腕や肘、手首を含めて身体の動きを確認しました。
確認すると、右腕の筋肉の緊張が強く、右肩が内側へ入りやすい状態になっていました。また、右手首にも動きにくさがみられました。
そこで、右手首の動きを出した状態でもう一度右腕を上げてもらったところ、肩を上げたときの痛みに変化がみられました。
ご本人も「手首と肩が関係するのですか?」と驚かれていましたが、実際に身体の状態を変えた前後で肩の痛みに違いがみられました。
そのため今回の症例では、肩だけを見るのではなく、腕や手首の状態も含めて施術方針を考える必要があると判断しました。
施術の考え方
初回は右肩周辺への施術と、手首の動きを整えるための施術を行いました。
肩に痛みが出てから時間が経過していたこともあり、肩甲骨周辺や肩の筋肉にも硬さがみられたため、これらの部分についても状態を確認しながら施術しました。
今回の症例では、「肩が痛いから肩だけを施術する」のではなく、実際に肩を上げる動作を確認し、その動きに関係している可能性のある腕や手首についても施術する方針としました。
初期は痛みが出る運動や動作をできるだけ控えていただき、自宅では肩甲骨周辺のストレッチと、ご自身で行える手首のセルフケアをお伝えしました。
施術後の経過
2回目
2回目は初回から3日後に来院されました。
初回と比べると肩の痛みは少し楽に感じていましたが、高い場所の物を取る動作や肩を大きく回したときには、まだ強い痛みがありました。
この段階では、肩甲骨周辺のストレッチと、ご自身で行える手首のセルフケアについてお伝えしました。
3回目
3回目はその4日後に来院されました。
腕を上げたときの痛みは、ご本人の感覚として初回と比べて半分程度まで軽減していました。
一方で、腕を大きく回す動作については、まだ痛みが残っていました。
この時点ではクロールは控えていただき、腕の向きや動きについても確認しながら施術を進めました。
5回目
5回目頃には、普段肩を動かしたときの痛みはほとんど感じなくなっていました。
ただし、大きく肩を回したときやクロールのような動作では、多少の痛みが残っていました。
手首の状態を整えた直後には肩の動きが楽になる一方で、時間が経過すると再び動きにくさがみられることがありました。
そのため、この頃から右側だけではなく左右両方の手首の状態を確認するようにしました。
また、日常生活の中で肩が内側へ入りやすい状態がみられたため、その状態を整えるためのセルフケアもお伝えしました。
7回目
7回目には肩の痛みは感じなくなり、腕を大きく動かした際に多少の引っかかり感が残る程度になっていました。
この段階で水泳も再開していただきました。
以前痛みが出ていたクロールの動作も行っていただきましたが、ほとんど痛みなく泳ぐことができていました。
ただし、意識的に腕を大きく回すと多少引っかかるような感覚が残っていたため、その状態を確認しながら施術を継続しました。
10回目
10回目には肩の痛みは感じなくなり、日常生活や水泳にも支障がない状態になっていました。
一方で、右肩を回したときの「ゴリゴリ」という音は残っていました。
痛みや違和感はなく、普段の生活にも水泳にも支障がなかったため、残っている音についても説明したうえで、この時点で施術を終了しました。
患者さんの写真


※施術による変化には個人差があります。本症例は一例であり、同様の結果を保証するものではありません。
院長の考察
今回の症例で特に重要だったのは、右肩だけではなく、腕や手首まで含めて実際の動きを確認したことです。
来院時には右腕の筋肉の緊張や肩の向きに加えて、右手首にも動きにくさがみられました。
そこで手首の動きを変えた状態で腕を上げてもらうと、その場で肩の痛みに変化がみられました。
この反応があったため、今回の症例では手首や腕の状態も施術方針を考えるうえで重要だと判断しました。
肩・肘・手首はそれぞれが完全に独立して動いているわけではありません。腕を上げたり、水泳のクロールのように大きく腕を回したりするときには、それぞれの関節が連動して動きます。
そのため、肩に痛みがある場合でも「肩だけに問題がある」と決めつけるのではなく、実際に痛みが出る動作を確認しながら、関連する部分を一つずつ確認することが大切だと考えています。
また今回、最終的には肩を回したときの音が残りましたが、痛みはなく、日常生活や水泳にも支障がない状態になりました。
すべての感覚を完全になくすことだけを目標にするのではなく、ご本人が困っていた動作や生活がどこまでできるようになったのかを確認することも大切だと考えています。
肩の痛みでお悩みの方へ
腕を上げたり肩を大きく回したりしたときに痛みが出る場合でも、身体の状態は一人ひとり異なります。
ひこばえ整骨院では、痛みを感じている肩だけを見るのではなく、症状が出る動作やこれまでの経過を確認し、必要に応じて肩甲骨や腕、手首なども含めて身体の状態を確認したうえで施術方針を考えていきます。
肩の痛みや五十肩に対する当院の考え方、施術については下記の症状別ページで詳しくご説明しています。





