
「腰が痛くて病院に行ったら、すべり症と言われた」という方の中には、「脊柱管狭窄症やヘルニアとどう違うの?」と疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
実はこの3つの病名は似ていますが、原因・痛み方・対処法がまったく異なります。
この記事では、整骨院の視点から「すべり症・脊柱管狭窄症・腰椎ヘルニアの違い」をわかりやすく解説します。
それぞれの症状の特徴を整理
① 腰椎すべり症とは
腰の骨(腰椎)が本来の位置から前にズレてしまう状態です。

ズレによって神経を圧迫し、腰やお尻、太ももにズキッとした痛みや重だるさを感じることがあります。
特に長時間立っている・座っていると悪化しやすいのが特徴です。
主な原因:姿勢の崩れ、骨盤の傾き、筋力の低下、加齢による関節のゆるみ
② 腰部脊柱管狭窄症とは

背骨の中を通る神経の通り道(脊柱管)が、加齢や変形によって狭くなることで神経が圧迫される症状です。
特徴的なのは「間欠性跛行(かんけつせいはこう)」と呼ばれる症状で、少し歩くと脚がしびれて立ち止まり、休むとまた歩けるようになるというパターンを繰り返します。
主な原因:椎間板の変性、骨のトゲ(骨棘)、靭帯の肥厚など加齢変化
③ 腰椎椎間板ヘルニアとは

背骨と背骨の間にあるクッション(椎間板)が飛び出して神経を圧迫する状態です。
若い年代(20〜40代)にも多く、片側の脚に強い痛みやしびれが出るのが特徴です。
逆に60代から70代には少ないと言うのも特徴も1つになります。
主な原因:長時間のデスクワーク、姿勢不良、過度なスポーツや重労働
すべり症・狭窄症・ヘルニアの違いを比較
| 症状名 | 原因 | 主な年齢層 | 痛み・しびれの特徴 | 代表的な悪化動作 |
|---|---|---|---|---|
| 腰椎すべり症 | 骨のズレ・姿勢の崩れ・筋力低下 | 50代〜70代 | 腰・お尻・太ももに重だるさ | 長時間座る、立つ |
| 脊柱管狭窄症 | 神経の通り道が狭くなる(加齢) | 60代〜80代 | 歩くとしびれる、休むと楽になる | 前かがみで長時間作業 |
| 腰椎ヘルニア | 椎間板が飛び出して神経を圧迫 | 20代〜50代 | 片足に鋭い痛み・しびれ | くしゃみ・前かがみ動作 |
整形外科と整骨院の違い
整形外科では主に「画像診断(レントゲン・MRI)」によって骨や神経の異常を確認し、薬・注射・手術で症状のコントロールを行います。
一方、整骨院では「なぜその状態になったのか?」に注目し、体のゆがみ・筋肉の緊張・血流の滞りなど、根本的な原因を整えていきます。
すべり症や狭窄症・ヘルニアの多くは、“骨の異常”というより“使い方の偏り”から始まっています。
そのため、体のバランスを整える施術やセルフケアで痛みが軽減するケースも少なくありません。
しっかりと診断をしてもらうためにも、初めは整形外科などで画像診断をしてもらうことをお勧めします。
その上で基本的に手術をするのかもしくはしないのであれば、リハビリ、投薬の選択をされます。
電気治療だけとか引っ張る機械牽引などで症状が改善しない場合は、整骨院など専門的に見ていただけるところを行くことをお勧めします。
薬をすごく嫌がる方もいらっしゃいますが、症状が強くしんどいときには薬を併用した方が治りが早くなる場合もあります。
胃腸とかの負担はありますが、ケースバイケースで変えていくのが良いと思います。
整骨院で行う3つの改善アプローチ
- ① ゆがみの調整:骨盤・背骨の位置を整え、神経圧迫を軽減。
- ② 筋肉のバランス改善:腰・お尻・太ももの筋緊張を和らげる。
- ③ 血流促進:固まった筋肉が緩み、自然治癒力を高める。
この3つの軸を整えることで、「痛みを取る」だけでなく、再発しにくい体をつくることが可能です。
症状が似ている場合の見分け方
すべり症・狭窄症・ヘルニアは症状が重なりやすく、自己判断は危険です。
以下のような場合は整形外科の診断と並行して、体の使い方・姿勢の検査を行うと原因が明確になります。
- 長時間座ると腰が痛い → すべり症の可能性
- 歩くと脚がしびれて休むと楽 → 脊柱管狭窄症の可能性
- 片足だけしびれる・痛む → ヘルニアの可能性
まとめ
「すべり症・脊柱管狭窄症・腰椎ヘルニア」は似ているようで、それぞれ原因も治療方針も異なります。
しかし共通しているのは、姿勢・筋肉バランスの乱れが痛みを悪化させているという点です。
痛み止めだけでなく、体の根本から整えるケアを取り入れることで、長期的な改善が期待できます。
基本的にすべての疾患症状を緩和させる事は可能です。
一度なってしまったものを元に戻す事は基本的にはできません。
ただし、その自覚症状を減らしたり、しびれとか痛みを軽減させる事は絶対にできるので、諦めないようにしてください。
西宮市で「すべり症・狭窄症・ヘルニア」にお悩みの方へ
兵庫県西宮市の「ひこばえ整骨院」では、体のゆがみ・筋肉・血流の3軸から症状を改善するアプローチを行っています。
痛みの出る根本を検査で明確にし、一人ひとりの体に合わせた施術を行います。
執筆者
ひこばえ整骨院 院長 齋藤 克也(監修)
柔道整復師(国家資格保持者)
業界歴16年。
18歳の頃から整骨院1筋で西宮市で痛みに悩まれている方のお役に立てる様に日々精進中。
現在ストレッチの本を発売中


