仙腸関節炎とは?原因・症状・検査方法を徹底解説

腰やお尻の奥に痛みがあり、「坐骨神経痛かな?」「ヘルニアかも?」と思っていたら、実は原因は別にあった――そんなケースが増えています。

その正体が仙腸関節炎(せんちょうかんせつえん)です。

この記事では、仙腸関節炎の基本的な症状・原因・検査方法について、整骨院の視点からわかりやすく解説していきます。


仙腸関節ってどこにあるの?

仙腸関節とは、骨盤の中にある「仙骨」と「腸骨」という2つの骨が連結する部分を指します。

仙腸関節炎を示している写真

背骨の一番下に位置する仙骨と、左右に広がる腸骨の間にあるこの関節は、身体の土台となる非常に重要なポイントです。

実はこの関節、ほとんど動かないようにできているため、筋肉や靭帯でしっかりと固定されています。

しかし、姿勢の悪化・筋力の低下・出産・スポーツなどの影響で微妙にズレたり、炎症が起こることがあります。これが”仙腸関節炎”です。


仙腸関節炎の主な症状

仙腸関節炎には、以下のような特徴的な症状があります:

お尻の奥が痛い(特に片側)

痛みはお尻の深部にズーンと響くような感じで、特に片側だけに出ることが多いです。

押すとピンポイントで痛みを感じる場合もあり、「坐骨神経痛」と勘違いされることもあります。

長時間座っていると痛みが強くなる 

デスクワークや車の運転など、長時間座ったままの姿勢が続くと、仙腸関節に圧がかかって痛みが強くなります。

座っているのがつらいと感じる方も少なくありません。

朝起きたときに腰や骨盤まわりが固まっている感じがする

寝ている間に関節や筋肉がこわばり、朝の起床時に腰や骨盤に強い違和感を感じることがあります。動き始めると少しずつ楽になりますが、朝の強張り感は重要なサインです。

立ち上がるときや歩き始めにズキッと痛む

椅子から立ち上がる瞬間や歩き出す最初の数歩に、鋭い痛みが走ることがあります。

関節に瞬間的な圧がかかることで、炎症が刺激されるためです。

片足に体重をかけると違和感・痛みが出る

荷重のかかり方に偏りがあると、痛む側に体重をかけたときにお尻の奥や骨盤の辺りに不快感や鋭い痛みが出るケースがあります。

左右のバランスが崩れているサインでもあります。

これらの症状は、椎間板ヘルニアや坐骨神経痛と混同されやすいですが、しびれよりも「関節の奥が痛い」「筋肉の深部がつらい」といった感覚が強いのが仙腸関節炎の特徴です。

仙腸関節炎の原因とは?

仙腸関節炎の原因はさまざまですが、大きく分けると以下のようになります:

1. 姿勢の崩れや体のゆがみ

長時間のデスクワークやスマホ使用、足を組むクセ、片足重心など、日常の悪い姿勢が仙腸関節に負担をかけます。

2. 筋力の低下

特にお尻や体幹(インナーマッスル)の筋力が落ちると、関節の安定性がなくなり、ズレや炎症の原因になります。

3. 出産や女性特有の骨盤の変化

女性は出産やホルモンの影響で骨盤が開きやすく、仙腸関節にも負担がかかりやすいです。

産後から腰や骨盤の痛みが続く場合、仙腸関節炎の可能性があります。

4. 急な運動や転倒

スポーツや転倒による衝撃で仙腸関節にズレが起き、炎症が起こるケースもあります。


どうやって診断される?検査方法とチェックポイント

仙腸関節炎は、レントゲンやMRIで明確に写るとは限りません。

炎症反応が出る場合もあるので、必ず1番最初は画像診断を行うようにしましょう。

そのため、症状や体の反応を見ながらの「徒手検査」が重要になります。

代表的な検査法:

Gaenslenテスト:ベッドの端で足を下ろしながら反対の膝を抱える検査。

仙腸関節にストレスがかかり、痛みが誘発されるかを確認します。

仙腸関節炎を診断するテスト方法

FABERテスト:あぐらをかくような姿勢で股関節・骨盤の連動性をチェック。

仙腸関節炎を診断するテスト方法2

また、患者さん自身でもできるチェックポイントとして、

  • 片足で立ったときにお尻の奥が痛む
  • 立ち上がるときに腰骨の横がズキッとする

などがあれば、仙腸関節炎の可能性があります。

 


放っておくとどうなる?

仙腸関節炎をそのままにしていると、以下のようなリスクがあります:

  • 慢性腰痛の原因になる
  • 痛みをかばって他の関節や筋肉に負担がかかる
  • 坐骨神経痛のような症状(間違った診断)が続く

また、筋力のバランスが崩れ、体のゆがみが全身に広がることもあるため、早期の対処が大切です。

仙腸関節炎は放置しておくと年単位で悪くなることが多いです。

セルフケアで改善すれば1番良いですが、症状が悪化する一方であれば必ずプロの手を借りるようにしましょう。


まとめ|仙腸関節炎は「見えにくい」けど「治る」

仙腸関節炎はレントゲンやMRIで異常が見つかりにくいため、見逃されがちな疾患です。

しかし、正しい知識とアプローチで改善することが可能です。

「原因がわからない腰やお尻の痛みが続いている」「何をしても良くならない」
そんな方は、一度仙腸関節炎を疑ってみる価値があります。

次の記事では、仙腸関節炎をセルフチェックする方法をご紹介します。

ひこばえ整骨院仙腸関節炎に対する治療

ひこばえ整骨院では仙腸関節炎の治療を非常に得意としています。

悪い部分だけを見るのではなくそれ以外の歩き方や立方体の使い方を全て見て一番最適な治療方法を選んで行きます。

もしあなたが仙腸関節炎による腰痛、痺れ、だるさで悩まれているならば是非下記をご覧ください。