
症例の概要
股関節の痛みが徐々に強くなり、階段の昇り降りや長い距離の移動がつらくなっていた50代の方の症例です。
もともと外出することが好きで、東京などへ出かけることもありましたが、新幹線や電車の乗り換え、駅の階段などで股関節が痛むことから、遠出を控えるようになっていました。
医療機関では変形性股関節症と診断され、手術についても提案を受けていました。
ご本人はできれば手術以外の方法も検討したいと考え、「また痛みを気にせず出かけたい」という希望で来院されました。
患者さん
Sさん 50代 宝塚市在住 パート
来院時期:平成29年7月
来院時のお悩み
- 股関節の痛みが徐々に強くなっている
- 階段の昇り降りがつらい
- 歩いたり移動したりすると股関節が痛む
- 好きだった遠出を控えるようになった
- 医療機関で変形性股関節症と診断された
- 手術以外にできることがないか探していた
来院の前年頃から、お尻まわりに痛みを感じるようになっていました。
その後、鍼灸院へ約1年間通院。当初はしゃがむことも難しいほど痛みがありましたが、その痛みは徐々に軽くなったとのことです。
一方で股関節の痛みが残り、その後も通院を続けていましたが、ご本人としては変化を感じにくくなっていました。
そこで整形外科を受診し、レントゲン検査を受けたところ、変形性股関節症と診断されました。
手術についても提案されたとのことでしたが、すぐに決めることには抵抗があり、ほかにできることがないか調べる中で当院のホームページを見つけられました。

当院で確認した身体の状態
まず、股関節だけではなく、立った姿勢や歩き方を含めて身体全体の状態を確認しました。
ご本人からは、以前から両側の股関節について臼蓋形成不全を指摘されていたと伺いました。
立った状態では膝が内側へ入りやすく、股関節にも内側へ入るような動きがみられました。
また、ご本人が「まっすぐ」と感じる姿勢で左右それぞれの脚に体重をかけてもらうと、左側では股関節に違和感が出ました。
股関節の動きを確認すると、次のような動作でも痛みがみられました。
- 座った状態で脚を持ち上げる
- 仰向けで股関節を曲げる
- 股関節を外側へ開く
一方で、股関節前方の筋肉に軽く触れた状態で同じ動作を行うと、痛みの感じ方に変化がみられました。
今回の症例では、画像上の変形だけで判断するのではなく、股関節周囲の筋肉の状態や股関節の動き、立ち方・歩き方なども確認しながら施術方針を考えることにしました。
施術の考え方
初回から股関節へ強い刺激を加えるのではなく、まずは痛みの出方を確認しながら股関節前方の筋肉を中心に施術しました。
また、立ったり歩いたりする動作で痛みが出ていたため、日常生活での歩き方についても確認しました。
当初は歩幅を少し広げる方法も試しましたが、それによって痛みが出たため、無理に続けることはせず、その後は膝の向きや身体の使い方を確認しながら方法を変更しました。
施術についても毎回同じことを行うのではなく、その時点での股関節の動きや痛みを確認しながら内容を調整しました。
実際の施術と経過
1〜2回目
初回は強い矯正を行わず、左股関節前方の筋肉を中心に施術しました。
自宅でも無理のない範囲でケアを行ってもらい、歩行時の身体の使い方についてもお伝えしました。
2回目も股関節前方を中心に確認しながら、骨盤や股関節の動きにも施術範囲を広げました。
初回にお伝えした歩幅を広げる歩き方では痛みが出たため、すぐに方法を変更しました。
痛みを我慢して決められた歩き方を続けるのではなく、ご本人の反応を確認しながら調整していきました。
3〜4回目
股関節前方への施術を継続しながら、股関節を外側へ動かす方向についても確認しました。
歩く際に膝の向きを意識しすぎるとかえって痛みが出たため、強く意識するのではなく、ご本人が痛みなく歩ける程度の感覚を確認しました。
また、自宅でも股関節を動かす運動に取り組んでいただきました。
4回目頃には、歩行時の股関節痛が以前より軽くなったと感じられていました。
5〜6回目
座った状態で脚を持ち上げる動作でも、来院当初と比べて痛みを感じにくくなっていました。
特につらいと話されていた階段の昇り降りについても、多少の痛みは残っていたものの、以前よりスムーズに行えるようになっていました。
自宅での股関節の運動については、ご家族にも協力してもらいながら継続されていました。
歩行についても、必要以上に身体の使い方を意識しすぎずに歩く感覚が少しずつ身についていました。
7〜9回目
7回目の施術前には、お盆の時期に里帰りをされました。
来院当初は、新幹線や電車での移動、駅での階段などで股関節が痛くなることを不安に感じ、遠出を控えていました。
今回の里帰りでも多少の不安はあったそうですが、行きの移動では大きな痛みを感じることなく過ごすことができました。
帰りに階段を下りる際には少し痛みを感じたものの、以前と比べると股関節の痛みを気にする場面は少なくなっていました。
後半は股関節だけではなく、上半身の姿勢についても確認しました。
歩行時に身体が前へ傾き、お腹を前へ出すような姿勢になりやすかったため、歩き始める前に上半身を起こしてから歩くこともお伝えしました。
その後は来院間隔を少し空け、日常生活や外出時の状態を確認していくことにしました。
※施術による変化には個人差があります。本症例は一例であり、同様の結果を保証するものではありません。
患者さんの直筆の声


元記事に掲載されている患者さんの声では、股関節の痛みが続き、夜も痛みで目が覚めることがあったことや、手術について悩んでいたことが書かれています。
施術後については、階段やしゃがむ動作が以前より楽になったとの感想をいただいています。
※患者さん個人の感想です。施術による変化には個人差があります。
院長の考察
今回の症例では、医療機関で変形性股関節症と診断され、手術についても提案を受けていました。
変形性股関節症では、画像上の関節の変化そのものを整体によって元の状態へ戻すことはできません。
一方で、画像上の状態だけで、現在感じている痛みや日常生活での困りごとのすべてを判断できるわけではありません。
今回の方では、股関節を曲げる・開くといった動作だけでなく、立ったときの膝や股関節の向き、歩行時の姿勢などにも特徴がみられました。
そのため、股関節だけに施術を行うのではなく、実際にどの動作で痛みが出るのかを確認しながら、施術や歩き方、自宅での運動をその都度調整しました。
来院当初は、好きだった遠出も股関節の痛みが不安で控えていましたが、経過の中では新幹線を利用して里帰りをすることができました。
「階段を使えるか」「電車で移動できるか」「行きたい場所へ出かけられるか」といった生活上の変化は、痛みの数字だけでは分からない大切な指標だと考えています。
なお、手術が必要かどうかは、関節の状態や症状、日常生活への影響などを踏まえて整形外科で判断するものです。
手術を提案されている場合には自己判断で中止するのではなく、主治医と相談しながら今後の方針を決めることが重要です。
変形性股関節症でお悩みの方へ
「階段を使うと股関節が痛い」「長く歩くのが不安」「以前のように旅行や外出を楽しみたい」と悩んでいる方もいらっしゃいます。
変形性股関節症では、画像上の変形だけではなく、現在どの動作で困っているのか、股関節がどのように動いているのか、歩くときに身体をどのように使っているのかなども確認することが大切です。
ひこばえ整骨院では、医療機関での診断内容も踏まえながら、現在の身体の状態や日常生活で困っている動作を確認し、施術方針を考えています。
当院の変形性股関節症に対する考え方や施術については、下記のページで詳しくご紹介しています。
※施術による変化には個人差があります。本症例は一例であり、同様の結果を保証するものではありません。





