
「腰の骨がすべってると言われた」「長時間座っていると痛くなる」──そんな悩みを抱える方へ。
実は、すべり症の方が無意識にとっている“姿勢や動作”が、痛みを長引かせているケースが多く見られます。
この記事では、整形外科ではあまり教えてくれない「すべり症の人がやってはいけない姿勢」を、整骨院の視点からわかりやすく解説します。
すべり症とは?
腰椎すべり症とは、腰の骨(腰椎)が本来の位置から前方にずれてしまう状態です。

骨そのものがすべっているように見えますが、実際には筋肉のバランスや骨盤の傾きが関係しています。
このズレによって神経が圧迫され、腰や脚の痛み・しびれを引き起こすのです。
そのため、「骨がずれたから痛い」というよりも、姿勢や動作がズレを強めていることが痛みの根本原因になっている場合が多いです。
一番大切なのは
「すべり症が起きないようにどれだけ腰の負担を減らすのか?」
という事。
すべり症はあくまでも結果であってその過程を解決すればしびれや痛みは必ず解消されます。
すべり症の人がやってはいけない姿勢3選
① 背もたれに深くもたれる座り方

一見楽な姿勢に思えますが、背もたれに深くもたれると骨盤が後ろに倒れ、腰の骨がさらに前にすべるような圧力がかかります。
また、背中が丸まることで腰の筋肉が緊張し、血流が悪化して痛みを悪化させます。
▶ 改善ポイント:
・骨盤を立てて座る
・座面の奥にタオルやクッションを入れて、腰を軽く前に起こす
・30分ごとに立ち上がる

② 前かがみ姿勢での作業(掃除・料理・洗顔など)

前かがみになると、腰の骨(腰椎)に前方への圧力が強くかかります。
これは「すべる方向」へ力を加える姿勢となり、痛みを助長します。
▶ 改善ポイント:
・台の高さを上げる(洗面所や調理台の下に踏み台を入れる)
・腰を曲げる代わりに膝を軽く曲げて作業
・長時間の中腰は避け、こまめに休む

③ 柔らかすぎるソファや低い座面

ふかふかのソファや低い座椅子は、一瞬楽でも腰には大きな負担です。
座ると骨盤が沈み込み、自然と腰が丸くなり、後傾姿勢になります。
この姿勢はすべり症の悪化原因の代表格です。
▶ 改善ポイント:
・硬めの椅子に座る
・お尻の下にクッションを敷いて高さを調整
・腰当て(ランバーサポート)を使用

なぜ「姿勢」がすべり症を悪化させるのか?
腰椎すべり症の痛みは、骨がズレたことよりも、ズレたまま支える筋肉や靭帯の負担によって生じます。
つまり、「骨の問題」よりも「支える筋肉・姿勢のバランスの問題」なのです。
悪い姿勢を続けると、
・腰の筋肉が常に緊張状態になる
・血流が滞り、神経の圧迫が強くなる
・体が“痛みを覚える”習慣ができる
といった悪循環が起こります。

この写真をご覧頂きたいですが、お腹が前に突き出ています。
このような姿勢になると力が前側に強く出てしまうので、腹筋が弱かったりすることにより力が前の方向にかかりすぎてしまいます。
結果的に滑り症を悪化させる1つの姿勢となります。
座り方も立ち方も同じことが言えますが、前に行く力が強くなってしまえばしまうほど痛みやしびれが悪化すると言う仕組みなのです。
自覚症状を改善しようと思ったときには、すべり症そのものをなんとかするのではなく、すべり症にならない姿勢を体に作るのが大切になります。
整骨院での改善アプローチ
当院では、すべり症を「骨のズレ」ではなく、体のゆがみ・筋肉・血流の3つのバランスの乱れと捉えています。
- ゆがみの矯正:骨盤や背骨の位置を整えることで、腰椎への負担を軽減。
- 筋肉の調整:硬くなった筋肉をゆるめ、神経への圧迫を減らす。
- 血流改善:筋肉が柔らかくなることで血流が回復し、自然治癒力が働く。
この3つの軸を整えることで、すべり症でも痛みのない姿勢で生活できる体を取り戻すことができます。
まとめ
- 背もたれに深くもたれる姿勢
- 前かがみの作業姿勢
- 柔らかいソファや低い座面
これら3つの姿勢は、すべり症の方にとって「痛みを悪化させる危険な動作」です。
まずは、骨盤を立てる・前かがみを避ける・硬めの椅子を選ぶことを意識しましょう。
日常の“少しの意識”が、痛みを減らし、すべり症の改善につながります。
整骨院からのアドバイス
すべり症は、進行すると腰だけでなく脚のしびれにもつながることがあります。
「まだ大丈夫」と思っている間に、体のバランスを整えることが何より大切です。
兵庫県西宮市の「ひこばえ整骨院」では、すべり症の原因を検査で明確にし、あなたの体に合わせた施術とセルフケア指導を行っています。
執筆者
ひこばえ整骨院 院長 齋藤 克也(監修)
柔道整復師(国家資格保持者)
業界歴16年。
18歳の頃から整骨院1筋で西宮市で痛みに悩まれている方のお役に立てる様に日々精進中。
現在ストレッチの本を発売中。


