口が開かず食事もつらかった顎関節症|50代女性の症例

症例の概要

20年以上前から顎の痛みや音を繰り返しており、来院の約1週間前から口を開けたり閉じたりすることが難しくなった50代女性の症例です。

来院時には指が2本入るかどうかという程度しか口を開けられず、食事やあくび、物を噛む動作でも痛みが出ていました。

顎周囲だけではなく、首や肩甲骨周囲の動き、普段の姿勢なども確認しながら施術を進めました。

患者さん

Sさん 50代女性

お仕事:主婦

お住まい:西宮市

来院:平成29年4月

来院時のお悩み

20年以上前から、顎の痛みや音に悩まされていました。

これまでは歯科を受診したり、ご自身で対処したりするうちに症状が気にならなくなることもあったそうです。

しかし、今回の来院1〜2か月ほど前から再び顎の音が気になるようになり、来院5日前頃からは痛みも出るようになりました。

特につらかったのが、

  • 物を噛むと顎が痛い
  • あくびをすると痛い
  • 口を大きく開けられない
  • 食事をするのがつらい

という状態でした。

来院時には、口を開けても指が2本入るか入らないか程度で、日常の食事にも支障が出ていました。

これまでの経過

顎の症状は今回突然始まったものではなく、20年以上前から痛みや音を繰り返していました。

症状が出ても、その後しばらくすると気にならなくなることがありましたが、今回は口を開けること自体が難しくなり、食事にも影響が出るようになったため来院されました。

口が開きにくく食事にも支障があった顎関節症の50代女性

当院で確認した身体の状態

顎の痛みがある場合でも、顎だけではなく周囲の状態も含めて確認することが大切です。

今回の患者さんについては、顎の動きに加えて、首や肩甲骨周囲の動き、姿勢などを確認しました。

特に、パソコンを使う時間が長く、座っている時に頭や顎が前へ出るような姿勢になりやすい特徴がみられました。

また、首周囲の動きにも制限がみられたため、顎そのものだけに施術を集中するのではなく、顎の動きと周囲の状態を合わせて確認しながら施術方針を考えました。

施術の考え方

初回は顎周囲の状態を確認しながら、首や肩甲骨周囲についても施術を行いました。

施術後には、来院時よりも口を開けやすくなり、指が2本入る程度まで開けられるようになりました。

ただし、その場で口が開きやすくなったことだけで判断せず、食事やあくびなど日常生活での痛みがどのように変化するかを確認しながら進めることにしました。

自宅では、肩甲骨周囲を動かすことや、パソコン作業時の座り方・頭の位置などについてお伝えしました。

施術後の経過

2回目

初回から3日後に来院されました。

施術直後は口を開けやすくなっていましたが、次回来院時までその状態がそのまま続いているわけではなく、顎の痛みも残っていました。

日常的にパソコンを使う時間が長かったため、座っている時の姿勢について改めて確認し、無理のない範囲で修正していただきました。

3回目

3回目には、ご本人の感覚として顎の痛みが来院当初より4割程度軽くなっていました。

仕事中に感じていた痛みにも変化があり、自分自身の座り姿勢や頭の位置にも気づけるようになってきました。

4回目

4回目には、口が指2本半程度まで開けられるようになりました。

痛みが完全になくなったわけではありませんでしたが、顎の位置や開け方によっては、痛みをほとんど感じずに動かせるようになっていました。

5回目

5回目には、日常生活で感じる顎の痛みはほとんど気にならなくなっていました。

口も指3本程度まで開けられるようになり、食事の際にもほとんど痛みを感じなくなりました。

あくびなどで不意に大きく口を開けた時には違和感が残ることがありましたが、来院時と比較すると日常生活で困る場面は大きく減っていました。

6〜7回目

その後は、あくびや大きく口を開けた時にも痛みをほとんど感じなくなりました。

仕事中を含め、日常生活で顎の痛みに困ることもなくなったため、初回を含め7回で集中的な施術を終了しました。

院長の考察

今回の患者さんは、20年以上前から顎の痛みや音を繰り返しており、来院時には口を指2本程度しか開けられない状態でした。

特に食事やあくびなど、毎日の生活に必要な動作にまで支障が出ていたことが大きな悩みでした。

顎関節症では、顎関節や咀嚼に関係する筋肉など、顎周囲そのものを確認することが重要です。

一方で今回の症例では、長時間のパソコン作業や、頭・顎が前へ出やすい姿勢、首や肩甲骨周囲の動きにも特徴がみられました。

そのため、顎だけが原因と決めつけるのではなく、顎の動きと周囲の身体の状態を確認しながら施術を進めました。

また、施術直後に口が開きやすくなっても、初期にはその状態が次回来院時まで続かないこともありました。

そこで、「その場でどれだけ口が開くか」だけではなく、食事ができるか、あくびで痛みが出るか、仕事中に困らないかという日常生活での変化も確認しました。

最終的には指3本程度まで口を開けられるようになり、食事やあくび、仕事中にも痛みをほとんど感じなくなりました。

顎の痛みや開けにくさがある場合には、顎だけに原因を決めつけず、症状の経過や顎の動き、生活習慣なども含めて確認することが大切だと考えています。

患者さんの写真

顎関節症で口が開きにくかった50代女性の症例

食事やあくびで顎が痛かった50代女性の改善事例

※施術による変化には個人差があります。本症例は一例であり、同様の結果を保証するものではありません。

顎関節症でお悩みの方へ

顎関節症では、口の開けにくさ、食事の際の痛み、あくびをした時の痛み、顎の音など、症状は一人ひとり異なります。

また、顎の痛みにはさまざまな原因が考えられるため、強い痛みや口が開かない状態が続く場合には、歯科・口腔外科など医療機関での評価も大切です。

ひこばえ整骨院では、医療機関での診断や治療が必要な状態を考慮しながら、顎の動きや首・肩甲骨周囲、姿勢など身体の状態を確認して施術方針を考えています。


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この記事の執筆・監修者

ひこばえ整骨院 院長 齋藤克也

齋藤 克也

ひこばえ整骨院 院長

柔道整復師(国家資格)

ひこばえ整骨院では、院長の齋藤克也が患者さんの身体の状態を確認し、施術まで一貫して担当しています。

当サイトの症例記事では、実際に来院された患者さんの経過をもとに、来院時のお悩み、身体の状態、施術の考え方、その後の変化についてご紹介しています。

症状名や画像上の所見だけで判断するのではなく、「どのような動作で困っているのか」「日常生活で何ができなくなっているのか」まで確認することを大切にしています。

2019年には、セルフケアや身体の使い方についてまとめた書籍を出版。現在も臨床に携わりながら、患者さんに身体の状態をできるだけ分かりやすく伝えることを心がけています。