初診日

平成30年1月末

 

患者さん

Y・Yさん 女性 公務員

 

悩み

去年の10月ごろからしゃがむ動作や座ってて立ち上がるときなどにガクッと力が抜けるような感じがでてきた。

12月ごろにはゴルフで歩きすぎたせいなのか股関節の納まりが悪いような違和感と痛みが強く出るようになってきた。

ひどいときは寝ているときにも痛みを感じる日もあったとのことでした。

年末年始くらいまでそういった日が続き、少し落ち着いてはきたものの、階段の上りや椅子から立ち上がるときなどに痛みや違和感がでている。

日によっても痛み方や違和感が違うので、ずっと痛いということはないけれど、今後この違和感や痛みが続いたり、悪化したりしないか不安になり当院にご来院くださったそうです。

3年前にも一度股関節が痛くなって整形外科に行くと、臼蓋形成不全症だということは言われたそうです。

その時も1年間痛みや違和感が繰り返し出ていたそうです。

痛みや違和感が出る前は週に一回ゴルフに行ったりもしていたとのことですが、シーズン的にもそろそろ休みになるのと体のこともあるのでしばらくは頻繁にすることはないが、将来的には股関節を気にせずゴルフを回れるようになりたい、とのことでした。

違和感や痛みがある状態のままだと、立ち上がりや踏み出し、階段でさえスムーズに動けないのでまずはそこがスムーズに動けるようになれ嬉しい、ということもおっしゃっていました。

 

 

 

検査の結果

立ち方の癖が悪く、歩く時にもそれが影響していました。

立っているとき、お腹を突き出して腰を反る内股の姿勢になっていました。

これはお腹から股関節に伸びる筋肉が使えていないということです。

立っているときに膝の位置を確認すると通常よりも内側に位置しており、歩く座る立ち上がるなどの動作で膝が全て内向きに捻れてしまっている状態でした。

これらは体の使い方の癖の問題であり、意識的に変えていかなくては変えることができません。

立っているときにも左の股関節に違和感が出ていましたが、立ち方を修正して膝を多少外向きに捻ると違和感が軽減するようでした。

つまり股関節に負担のかかる今の立ち方を変えていくことができれば、痛みや違和感が出る状態から改善できるということです。

ただし、臼蓋形成不全がある分多少の疲れやすさ違和感は残る可能性はありますので、そこはご了承いただくように確認しました。

同時に臼蓋形成不全があるということもあり、腰を反る形は放っておくと股関節にさらなる悪影響を引く起こしまうので立ち方などの体の使い方はしっかり改善していく必要性もお伝えしました。

 

初回の治療

初回では立ち方を変えていきたいために、お腹の力の入れ方、骨盤の向き、股関節の位置や膝の位置の動きをそれぞれ確認していきました。

そもそも腰が反っているという意識がないため、正常な位置に動かす感覚がわからないという状態で、お腹を凹ませる感覚を覚えるのも難しいようでした。

初回はまず関節や骨の動きをつけて、このお腹を凹ませる、という動きを意識してもらうだけに集中しました。

股関節と骨盤の矯正を行うようにしてお腹側にある筋肉に刺激を加えて動かしていき、立っているときの骨盤の向きを安定しやすくしました。

ストレッチとしても股関節の前側を伸ばすようにお伝えしました。

 

2回目以降の施術

初回に引き続き立ち方の気を付け方はお話しながら座り方もみていきました。

3回目の施術の前に、ゴルフの予定が入ってしまっていて、いつもより歩いたり立っていることが多くなるとのことでしたので、立ち方とゴルフが終わってからのケアの仕方をいくつかお伝えしておきました。

ゴルフ後のためか右肩の捻れも目立ったので、上半身のバランスをとるように矯正していきました。

カートに乗って移動するため歩く量がとても多いということはなかったそうですが、そのカートに座っていてから立ち上がるときやその後の一歩がやはり痛みがあったりこわかったり不安感がある、とのことでした。

5,6回目くらいで立ち方が少し安定してきました。

この頃は、痛む回数は減っており、違和感やはまりが悪い感じが残るような状態でした。

もともと腰痛もあったそうで、右側の腰が時々痛くなるようなこともあったそうですが、これも腰に力が入りすぎてしまうことで必要以上に腰の筋肉が張ってしまっていたのだと考えられます。

8回目くらいには痛みはあまり出ずに時々気になるときや違和感を強く感じる日も多少出るかな、というくらいになっていましたが、ちょうど出産を控えた娘さんが帰省される予定だったそうで、里帰り中は上の子どもの面倒をみることになるとのことで不安がっていました。

確かに抱っこをしたり、出かけることが増えたり明らかに負担が増える予定になってしまっていたため、何とか状態が悪化しないようにしたいとの希望がありました。

当初の予定より長くなりますがしっかり治療するために引き続き治療していきました。

実際に娘さんとお孫さんが来られてから、動くことも多く一番きつかったのが抱っこを長時間したままお出かけがあったりしたときなど、その日や翌日も椅子からの立ち上がり、階段で痛みがでる日もあったようでした。

しばらく仕事と娘さんの出産の日程などで来院ができなかったのですが、それがある程度落ち着いてきたのもあり、また治療を再開していきました。

抱っこが続いたせいもあり、腰の反りがまたでてしまっていたので改めてしっかり意識しなおすようにお伝えしました。

すると前ほど痛みは長引かず、立ち上がりや階段もそれほど怖さも出ずに動けるようになっていました。

治療始めてから7ヶ月ほど経ちましたが、久々にゴルフにも行ってこられたとのことでした。

最初の頃に行ってカートの乗り降りで痛かったり、翌日に痛みが残ったりすることもあり、なかなか怖くて行くのを避けていたゴルフでしたが、タイミングもよくお誘いがあったそうで、ホールを普通に回っても痛みは出なかったとのことでした。

ちょうどゴルフに行かれた翌日に来院いただいたのですが、姿勢も大きく崩れることはなく、痛みも持ち越すことはなかったようです。

単純に歩きすぎてふくらはぎが張っている、という状態でした。

その後も遠足で1日歩き回ったりしたそうですが、特に姿勢が崩れなくなっており、股関節の痛みもなく多少の違和感が微妙にあるかも?というくらいで、最初に感じていた歩きだしや椅子からの立ち上がりで出る痛みや不安感は全くない、とのことでした。

痛みもなく姿勢も安定しているので、治療は一度ここで終了ということにして、普通に過ごしていただくようにしました。

ストレッチや姿勢、お伝えしたマッサージなどは必ず継続的に行うようにはお伝えさせていただきました。

違和感や不安感が3日間ほど連続で残るようであれば、また姿勢が崩れているか関節に硬さがでているかの可能性があるので一度来てください、ともお伝えしておきました。

8ヶ月近くかかりましたが、しっかり痛みなく過ごせるようになっていただけて良かったです。

ご本人も股関節に不安なく過ごせるようになったことに喜ばれていました。

 

まとめ

今回の方は変形まではいってませんでしたが、もともとの骨格、関節の形的に股関節に負担のかかりやすい状態でした。

臼蓋形成不全症(きゅうがいけいせいふぜん)であることは股関節を痛めやすい一つの要因ではありますが、臼蓋形成不全であることは痛みの全ての原因、というわけでもありません。

骨の形を変えることはできませんが、使い方を変えることはできるのです。

今回の方のように、普段から立ち座りが多かったり動くことが多いという場合は特に体の使い方、立ち方歩き方の意識付けはかなり重要です。

一度痛みが引いてからもまた痛みがでてしまったのはまだ癖の部分が取り切れていなかったというのもあります。

自分では気が付けない歩き方や階段の上り方、体をどう動かしてるから痛い、というのがわかれば自分で気を付けるときのどう気を付けたらいいのかということもわかります。

時間はかけても痛みがきっちりとれるように治療したい、という意思も体を治していくうえで大事なことです。

一時的に痛みが取れてもまたそれを繰り返すのでは意味がありません。

悩み続けたり我慢すると痛みを繰り返すか症状をどんどん悪化させることになります。

もし似たような症状でお困りなどありましたら、一度ひこばえ整骨院にご相談ください。

ひこばえ整骨院股関節の痛みに対する治療

ひこばえ整骨院では股関節の痛みに対する治療を非常に得意としています。

悪い部分だけを見るのではなくそれ以外の歩き方や立方体の使い方を全て見て一番最適な治療方法を選んで行きます。

もしあなたが股関節の痛みよる歩行ができない、あぐらがかけないなどで悩まれているならば是非下記をご覧ください。

執筆者

ひこばえ整骨院 院長 齋藤 克也(監修)

柔道整復師(国家資格保持者)

業界歴16年。

18歳の頃から整骨院1筋で西宮市で痛みに悩まれている方のお役に立てる様に日々精進中。

現在ストレッチの本を執筆中。年内に発売予定。

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