
症例の概要
20代女性、主婦の方の症例です。
以前から顎の痛みがあり、前年5月には歯科を受診してマウスピースを作製していました。その後も症状には波があり、痛みが強い時期と気にならない時期を繰り返していました。
せんべいやおかき、あたりめなど硬い食べ物が好きでしたが、ブロッコリーなどを食べた際にも顎がきしむように感じることがあり、食事の際の顎の痛みを気にされていました。
顎の状態だけではなく、首や姿勢、身体全体の動きを確認しながら施術を進めた症例です。
患者さん
Iさん 20代 女性 主婦 西宮市在住
来院時期:平成29年1月
来院時のお悩み
一番の悩みは、食事の際に感じる顎の痛みでした。
- 以前から顎が痛い
- 前年5月に歯科を受診し、マウスピースを作製した
- 症状には波があり、痛い時期と気にならない時期の差が大きい
- 硬い食べ物を食べると顎に痛みやきしむような感覚がある
- 好きだったあたりめなどを食べにくくなった
また、2人目のお子さんを出産後に体重が約10kg増え、ご自身で約5kg減らしていました。残りの体重についても見直したいという希望があり、産後の身体の状態も気にされていました。
これまでの経過
顎の痛みは以前からあり、前年5月には歯科を受診してマウスピースを作製していました。
症状がずっと一定しているわけではなく、周期的に顎が痛くなる状態でした。
もともと硬い食べ物が好きで、せんべいやおかき、特にあたりめをよく食べていました。しかし、来院時には硬いものだけではなく、ブロッコリーなどを食べても顎がきしむように感じることがありました。
好きなものを食べる際にも顎を気にするようになったため、身体の状態を一度確認したいと来院されました。
当院で確認した身体の状態
まず、顎の動きだけではなく、首や姿勢、上半身と下半身のバランス、股関節・足首などの動きを確認しました。
主に確認したのは次のような点です。
- 顎関節の動き
- 座位・立位での姿勢
- 頭や顎が前方へ出ていないか
- 首の動き
- 身体をひねったときの左右差
- 股関節や足首の動き
- 産後の骨盤周辺の状態
今回の症例では、頭や顎が前方へ出やすい姿勢がみられ、首にも動かしにくい部分がありました。
左右のバランスに大きな崩れはみられなかったため、特に身体を横から見たときの姿勢や首周辺の動きを確認しながら施術方針を考えました。

施術の考え方
今回の症例では、顎だけを見るのではなく、首の動きや頭・顎が前方へ出やすい姿勢についても確認することを重視しました。
初回は顎へ直接強く働きかけるのではなく、首周辺や背中、姿勢を中心に身体の動きを確認しながら施術しました。
左右のバランスよりも前後方向の姿勢が目立っていたため、頭や顎が前へ出すぎない身体の使い方についてもお伝えしました。
経過に合わせて股関節など下半身の動きも確認し、立ち方や座り方を含めて身体全体の状態を見ながら施術を進めました。
施術後の経過
1〜2回目
初回は、首周辺や背中、姿勢を中心に施術しました。
自宅では、猫背になりすぎないことや、顎を前へ突き出さない姿勢を意識してもらいました。
2回目は4日後に来院。顎に強い痛みが出ている状態ではなかったため、顎の状態と姿勢を確認しながら施術を行いました。
ご本人は身体をまっすぐにする感覚は少しずつつかめていましたが、顎を引く姿勢が分かりにくかったため、壁を利用して姿勢を確認する方法をお伝えしました。
3〜4回目
3回目には姿勢を意識する感覚が少しずつつかめてきたため、股関節の動きについても確認しました。
この時点で、ご本人の感覚では顎の違和感は初回来院時と比べて半分程度になっていました。
4回目の来院までの4日間は、顎の違和感をほとんど感じずに生活できたとのことでした。
顎や首周辺の状態に加えて、姿勢や股関節の動きも引き続き確認しながら施術を行いました。
5〜6回目
来院当初はブロッコリーなどを食べた際にも顎の痛みを感じていましたが、6回目頃には野菜を食べる際の痛みは気にならなくなっていました。
試しに以前好きだったあたりめを食べてみたところ、痛みは出なかったものの、顎に違和感を感じたため、その時点では無理に食べ続けないようにされていました。
また、食生活についても見直しを続け、間食を減らすなどの取り組みを行っていました。
7〜8回目
実家へ帰省されたこともあり、来院間隔が約3週間空きました。
その間も自宅でお伝えしたストレッチなどを続けており、顎の痛みはほとんど出ることなく、普段の食事にも大きな支障を感じない状態でした。
姿勢については、意識しなくなると元に戻りやすい部分があったため、日常生活の中で引き続き意識してもらいました。
9回目
9回目には、普段の食事で顎の痛みや違和感をほとんど気にすることがなくなっていました。
これまで避けていたあたりめなどの硬い食べ物も試したところ、食べている最中の痛みはなく、食後に顎の疲れを感じる程度だったとのことでした。
ご本人が好きだった食べ物も再び食べられるようになり、日常生活で顎の症状を気にすることがほとんどなくなったため、9回目で施術を一区切りとしました。
院長の考察
今回の症例で大切だったのは、単に「顎が痛い」という点だけではなく、「硬いものを食べると痛む」「好きだった食べ物を避けている」という日常生活での困りごとまで確認することでした。
歯科でマウスピースを作製した後も症状には波があり、当院で身体を確認した際には、頭や顎が前方へ出やすい姿勢や首の動かしにくさがみられました。
そのため、顎だけに施術を集中させるのではなく、首や背中、姿勢、さらに経過に応じて股関節などの動きも確認しながら施術を進めました。
経過を見る際にも、「痛みがあるか」だけではなく、ブロッコリーやあたりめなど、以前は痛みを感じていた食べ物をどの程度食べられるのかを確認しています。
顎の症状にはさまざまな状態があります。必要に応じて歯科・口腔外科での検査や治療を受けながら、身体の姿勢や首周辺の動きなども確認していくことが大切だと考えています。
顎の痛み・顎関節症でお悩みの方へ
顎の痛みや口の開けにくさ、音などがある場合、まず歯科や口腔外科で顎関節や歯の状態を確認することも大切です。
ひこばえ整骨院では、顎の状態だけではなく、首や背中の動き、頭の位置、姿勢なども確認したうえで身体への施術方針を考えています。
顎関節症に対する当院の考え方や施術については、下記の症状別ページで詳しくご説明しています。






