妊娠中から続く股関節痛で階段や立ち上がりがつらかった30代女性の症例|ひこばえ整骨院

症例の概要

妊娠中から股関節に違和感があり、出産後も階段を上がるときや朝起きるとき、しゃがんだ姿勢から立ち上がるときなどに痛みを感じていた30代女性の症例です。

子育てが始まる中で、「このまま痛みを放っておいて、育児に支障が出たら困る」という不安があり来院されました。

身体を確認すると、股関節だけではなく、腰を反りやすい姿勢や肩・骨盤の高さの左右差、腰や肩周辺の緊張などがみられました。

3〜4回目にはベビーカーを押しているときに感じていた痛みがなくなり、立ち上がる際の痛みも軽減。5〜6回目には腰や股関節の痛みはほとんど気にならなくなり、その後は抱っこなどによる肩・首周辺の疲れを中心としたケアへ移行しました。

患者さん

Kさん 30代女性 会社員

来院時期:平成27年12月

来院時のお悩み

Kさんは、妊娠中から股関節に違和感を感じていました。

出産後も症状が残っており、特に次のような動作で股関節の痛みや違和感がありました。

  • 階段を上がるとき
  • 朝起きるとき
  • しゃがんだ姿勢から立ち上がるとき
  • ベビーカーを押すとき

また、猫背も気になっていました。

これから子育てを続けていく中で、痛みが育児の負担になることを心配され、「今のうちに身体の状態を整えておきたい」という思いで来院されました。

当院で確認した身体の状態

股関節の痛む場所だけではなく、立った状態・仰向け・うつ伏せなど、それぞれの姿勢で身体の状態を確認しました。

立った状態では、肩と骨盤の高さに左右差があり、腰を反りやすい姿勢もみられました。

仰向けでは、左右の脚の見え方や骨盤周辺の状態、身体のねじれ、左右の股関節の動きを確認しました。股関節を動かした際には左右とも痛みがあり、股関節前面の筋肉にも緊張がみられました。

うつ伏せでは、腰や肩周辺に筋肉の緊張がみられました。

今回の症例では、股関節だけを見るのではなく、腰・骨盤周辺・肩などを含め、身体全体の動きや左右差を確認しながら施術方針を考えました。

妊娠中から続く股関節痛で来院した30代女性の身体の状態を確認している様子

施術の考え方

初回は、腰・骨盤周辺の左右の動きや股関節の状態を確認しながら施術を行いました。

肩周辺にも緊張がみられたため、股関節だけに施術を限定せず、身体全体の状態を見ながら対応しました。

育児では、抱っこやベビーカー、床からの立ち上がりなど、同じ動作を繰り返す機会が増えます。

そのため、施術だけではなく、ご自宅でも無理なく続けられるストレッチをお伝えしました。

自宅でお伝えしたケア

初回は、一度に多くのことを行うのではなく、股関節や骨盤周辺を動かすためのストレッチなど、取り組みやすい内容を中心にお伝えしました。

その後も身体の状態を確認しながら、腰をひねるストレッチやふくらはぎのセルフケアなどを追加しました。

実際の施術と経過

1〜2回目

初回は、腰・骨盤周辺や股関節、肩周辺などを確認しながら施術しました。

2回目の来院時は、長めに散歩したこともあり腰に痛みが出ていました。また、脚にも疲れを感じていたため、下半身の状態を中心に確認しました。

一方で、股関節の痛みについては初回と比べて軽減していました。

身体の状態に合わせ、腰をひねるストレッチとふくらはぎのセルフケアを追加しました。

3〜4回目

この頃には、それまで痛みを感じていたベビーカーを押す動作で痛みが出なくなっていました。

また、しゃがんだ姿勢などから立ち上がるときの痛みも軽減していました。

身体を動かした際の動きにも変化がみられたため、これまでお伝えしていたストレッチを継続してもらいました。

5〜6回目

少し長めに来院間隔が空きましたが、その間は腰に痛みを感じることなく過ごせていました。

来院当初に気になっていた腰と股関節の痛みは、この頃にはほとんど気にならなくなっていました。

一方で、肩周辺につらさを感じるようになっていたため、身体の状態に合わせて上半身を中心としたストレッチへ変更しました。

また、内側へ入りやすかった肩周辺についても動きを確認しながら施術しました。

7回目

7回目には腰の痛みも肩の痛みもほとんど気にならず、身体が軽く感じられていました。

ご自宅でも、育児の合間を見つけながらストレッチを続けられていました。

状態を維持できていたため、新しいセルフケアを増やさず、それまでの内容を継続してもらいました。

8〜9回目

来院当初にあった股関節や腰の痛みは、この時点でも気にならない状態が続いていました。

一方、赤ちゃんを抱っこする機会が増えたことで、肩や首周辺に疲れを感じるようになっていました。

初回に確認した肩や骨盤周辺の左右差にも変化がみられていたため、来院当初の股関節痛を中心とした施術から、育児による肩周辺の疲れをケアするためのメンテナンスへ移行しました。

※施術による変化には個人差があります。本症例は一例であり、同様の結果を保証するものではありません。

患者さんの写真

妊娠中から続く股関節痛で来院した30代女性

院長の考察

今回の症例では、「股関節が痛い」という症状だけではなく、どのような場面で困っているのかを確認することが重要でした。

Kさんの場合は、階段、朝の起き上がり、しゃがんだ姿勢からの立ち上がり、ベビーカーを押す動作など、育児や日常生活の中で繰り返す動作に痛みが出ていました。

身体を確認すると、股関節だけではなく、腰を反りやすい姿勢や肩・骨盤周辺の左右差、腰や肩周辺の緊張などもみられました。

ただし、これらの左右差や姿勢だけを股関節痛の「原因」と断定することはできません。

そのため、身体全体の動きを確認しながら施術を行い、実際に困っていた動作がどのように変化するかを確認しました。

3〜4回目にはベビーカーを押す際の痛みがなくなり、立ち上がりも楽になりました。その後、股関節や腰の症状が落ち着いてからは、抱っこによって負担を感じるようになった肩・首周辺へ施術内容を変更しています。

産後は赤ちゃんの成長とともに抱っこの負担や生活動作も変わっていきます。そのため、「最初に痛かった場所だけを見る」のではなく、その時点で実際に困っていることを確認しながら施術内容を考えることが大切です。

産後の股関節痛でお悩みの方へ

妊娠中から股関節に違和感があり、出産後も階段や立ち上がり、抱っこ、ベビーカーなどで痛みを感じる方もいます。

股関節痛といっても症状の出方や身体の状態は一人ひとり異なるため、痛む場所だけではなく、どの動作で困っているのかを確認することが大切です。

強い痛みが続く場合、歩行が難しい場合、股関節を動かせない場合などは、まず整形外科などの医療機関で状態を確認してください。

ひこばえ整骨院では、股関節だけではなく、腰・骨盤周辺などを含めた身体の動きと、日常生活で困っている動作を確認したうえで施術方針を考えています。

股関節痛に対する当院の考え方や施術については、下記のページで詳しくご紹介しています。


股関節痛の原因や施術について詳しく見る

※施術による変化には個人差があります。本症例は一例であり、同様の結果を保証するものではありません。

この記事の執筆・監修者

ひこばえ整骨院 院長 齋藤克也

齋藤 克也

ひこばえ整骨院 院長

柔道整復師(国家資格)

ひこばえ整骨院では、院長の齋藤克也が患者さんの身体の状態を確認し、施術まで一貫して担当しています。

当サイトの症例記事では、実際に来院された患者さんの経過をもとに、来院時のお悩み、身体の状態、施術の考え方、その後の変化についてご紹介しています。

症状名や画像上の所見だけで判断するのではなく、「どのような動作で困っているのか」「日常生活で何ができなくなっているのか」まで確認することを大切にしています。

2019年には、セルフケアや身体の使い方についてまとめた書籍を出版。現在も臨床に携わりながら、患者さんに身体の状態をできるだけ分かりやすく伝えることを心がけています。