変形性股関節症で立ち上がり・歩行がつらかった60代の症例|西宮市 ひこばえ整骨院

症例の概要

9年前に変形性股関節症と診断され、その後しばらくは大きな痛みなく生活されていましたが、前年の年末頃から股関節の痛みが強くなってきた60代の方の症例です。

来院の約2か月前からは、毎食後に痛み止めを服用しながら生活されていました。

特につらかったのが、長く座ったあとの立ち上がりと歩き始めです。股関節から鼠径部、内もも、お尻まわりに痛みやこわばりを感じ、最初の一歩を踏み出すまでに時間がかかっていました。

もともと友人やご家族と出かけることが好きでしたが、座ったあとに立てなくなることや、歩き続けると痛みが出ることへの不安があり、外出を十分に楽しめなくなっていました。

「できるだけ手術はしたくない」「また出かけることを楽しみたい」という思いから、当院へ来院されました。

患者さん

Hさん 60代 西宮市在住

来院時期:平成29年9月

来院時のお悩み

  • 長時間座ったあとの立ち上がりがつらい
  • 立ち上がってから最初の一歩を踏み出しにくい
  • 20分以上歩いたり立ち続けたりすると股関節が痛む
  • 股関節だけでなく鼠径部や内もも、お尻にも痛みを感じる
  • 痛み止めを毎食後に服用していた
  • 外出を痛みなく楽しみたい

変形性股関節症と診断されたのは、来院のおよそ9年前でした。

当時はそれほど痛みを感じておらず、日常生活を送ることができていました。

ところが前年の年末頃から痛みを感じるようになり、年始に再びレントゲン検査を受けました。

その際には、以前と比較して画像上の変形に大きな進行はみられないとの説明を受けたそうですが、実際に感じる痛みは徐々に強くなっていきました。

来院の約2か月前からは毎食後に痛み止めを服用。薬を飲んでも痛みが残り、一日中痛みを我慢しながら過ごす日もありました。

翌年の年明けに再び整形外科を受診する予定があり、「手術も考えなければならないのか」と悩んでいたそうです。

できるだけ手術以外の方法も検討したいとインターネットで調べる中で、当院の変形性股関節症のページを見つけ来院されました。

当院で確認した身体の状態

当院では、変形を指摘されている股関節だけではなく、立ち方や歩き方、膝・骨盤・肋骨なども含めて身体全体の状態を確認しました。

その際、次のような特徴がみられました。

  • 膝が十分に伸びにくい
  • 膝が内側へ入りやすい
  • 骨盤に左右差がみられる
  • 肋骨の位置にも左右差がみられる

特に、長く座った状態から立ち上がって一歩踏み出そうとすると、脚がこわばり、体重をかけた際に内ももや股関節まわりに痛みを感じていました。

一方で、体重をかけず仰向けで股関節を曲げる動作は可能でした。

また、立った状態で膝や股関節の向きを調整すると、痛みの感じ方にも変化がみられました。

今回の症例では、画像上の股関節の変形だけで判断するのではなく、膝の伸び方や股関節の向き、骨盤の位置、立ち上がりや歩行時の身体の使い方も確認しながら施術方針を考えました。

施術の考え方

初回は股関節周囲に強い刺激を加えるのではなく、痛みの状態を確認しながら、無理のない範囲で股関節や周囲の動きを調整しました。

また、立ち上がりや歩行時に症状が強く出ていたため、施術だけでなく、立ったときの身体の使い方についても確認しました。

その後は身体の変化に合わせて、股関節だけでなく、骨盤・膝・太もも・ふくらはぎなどにも施術範囲を広げていきました。

自宅では、お腹や腰まわりを使う運動や太もものストレッチなど、その時点の状態に合わせて取り組んでいただきました。

なお、痛み止めなどの薬については、自己判断で服用を中止・変更するのではなく、処方した医師や薬剤師へ相談することが大切です。

実際の施術と経過

1〜3回目

初回は股関節周囲のこわばりや動きを確認しながら施術し、立ち方についてもお伝えしました。

2回目の時点では、20分以上歩いたり立ち続けたりすると痛みが出ていました。

また、座った状態から立ち上がってすぐに動こうとすると、股関節・鼠径部・お尻まわりなどに痛みが出ていました。

来院時にも電車などを利用して移動する必要があり、途中で痛みが出る状態でしたが、3回目には「今までの痛みより少し楽な感じがする」と話されていました。

この頃から股関節だけでなく骨盤の動きについても確認し、自宅ではお腹や腰まわりを使う運動を行っていただきました。

施術時に練習した身体の使い方を立った状態でも試すと、立ち上がったあとの動き出しが楽になる感覚があったため、日常生活でも無理のない範囲で意識していただきました。

4〜6回目

4回目には、娘さんから「一歩目が前よりスムーズになった」と言われたそうです。

ご本人も身体の使い方を意識することで、以前より立ち上がりやすくなったと感じていました。

この頃からは、股関節だけでなく膝の違和感にも気づくようになりました。

しゃがむ際に膝のこわばりを感じていたため、膝の動きも確認し、太ももやふくらはぎへの施術やストレッチも追加しました。

6回目の前には外出の予定がありました。

歩く量自体はそれほど多くなかったこともあり、大きく痛みが残ることなく過ごせたとのことでした。

ただし、長時間座ったあとの立ち上がりから一歩目までは、まだ痛みや動きにくさが残っていました。

7〜10回目

7回目頃には、しゃがむ際に感じていた膝の違和感やこわばりは気にならなくなっていました。

また、来院前日には「股関節の痛みやこわばりを感じない状態が一日続いた」と話され、久しぶりの感覚だったと喜ばれていました。

この頃から、自宅での太もものストレッチや、お腹・腰まわりの運動にも継続して取り組んでいただきました。

8回目頃には、歩き始めの数歩に痛みが残るものの、その後は歩いていても以前ほど痛みを感じなくなっていました。

一方で、20〜30分ほど立ち続けると少し痛みが出ることはありました。

また、自宅のダイニングチェアから立ち上がったあとに痛みが出やすい一方、映画館の椅子では比較的立ちやすいという違いがありました。

そこで、自宅で座る際の姿勢や足の位置についても確認し、身体への負担が少ない座り方を試していただきました。

9回目頃には、立ち上がった直後の数歩で感じていた痛みはほとんどなくなり、こわばりによる歩きにくさが少し残る程度になっていました。

来院当初は、自宅近くからバスに乗った時点ですでに股関節が痛くなっていましたが、この頃には電車を乗り継いで院の最寄り駅付近まで移動しても、以前のような痛みを感じにくくなっていました。

9回目の翌日にはライブにも出かけられました。

長時間座る時間がありましたが、その日は大きな痛みなく過ごすことができ、立ち上がったあとの歩き始めも以前ほど気にならなかったとのことでした。

翌日には多少痛みを感じたものの、その次の日には普段通りに過ごせる状態に戻っていました。

10回目は初めて施術間隔を1週間空けましたが、その間に大きく痛みが強くなることはありませんでした。

来院当初と比較すると、痛み止めを飲まないと不安という感覚も少なくなり、日常生活や外出を以前より楽しめるようになったと話されていました。

ただし、長時間歩いた際には鼠径部に痛みを感じることがあり、外出する日の朝には痛み止めを服用することもありました。

ご本人には今後も外出の予定があり、さらに身体の状態を整えていきたいという希望があったため、来院間隔を調整しながら経過を確認していくことになりました。

※施術による変化には個人差があります。本症例は一例であり、同様の結果を保証するものではありません。

患者さんの直筆の声

変形性股関節症で立ち上がりや歩行時の痛みに悩んでいた60代の患者さんの声

変形性股関節症の施術を受けた60代の患者さんの直筆の感想

※患者さん個人の感想です。施術による変化には個人差があります。

院長の考察

今回の症例で特徴的だったのは、9年前に変形性股関節症と診断されていたものの、痛みが強くなった時期に再びレントゲン検査を受けた際には、画像上の変形に大きな進行はないと説明されていたことです。

画像上の状態と、患者さんが実際に感じている痛みや日常生活での困りごとは、必ずしも同じように変化するとは限りません。

今回の方では、膝が十分に伸びにくいことや、股関節・膝の向き、骨盤の位置、立ち上がりや歩行時の身体の使い方などにも特徴がみられました。

そこで、変形している股関節だけに施術を集中させるのではなく、その時々の身体の状態を確認しながら膝・骨盤・太もも・ふくらはぎなどにも施術範囲を広げていきました。

また、今回の方にとって大きかったのは「外出を楽しめるかどうか」でした。

来院当初は、座ったあとに立ち上がれなくなることや、歩いている途中で痛みが強くなることへの不安があり、好きだった外出を十分に楽しめない状態でした。

経過の中では、電車を乗り継いで移動したり、ライブへ出かけたりできるようになり、外出後の身体の状態にも変化がみられました。

痛みの強さだけでなく、「立ち上がってすぐ歩けるか」「電車で移動できるか」「好きな場所へ出かけられるか」といった生活上の変化も大切な確認項目だと考えています。

なお、変形した関節そのものを整体によって元の状態へ戻すことはできません。また、手術の必要性については、画像所見や症状、関節の動き、日常生活への影響などを踏まえて整形外科で判断するものです。

手術について説明を受けている場合には自己判断で中止するのではなく、主治医と相談しながら今後の方針を検討することが大切です。

変形性股関節症でお悩みの方へ

「長く座ったあとに立ち上がるのがつらい」「歩き始めに股関節が痛い」「外出すると痛みが強くなるため出かけることが不安」という方もいらっしゃいます。

変形性股関節症では、画像上の状態だけではなく、どのような動作で痛みを感じるのか、膝や骨盤がどのように動いているのか、立ち方や歩き方にどのような特徴があるのかを確認することも大切です。

ひこばえ整骨院では、医療機関での診断内容やこれまでの経過を確認したうえで、現在の身体の状態と日常生活で困っている動作を確認し、施術方針を考えています。

当院の変形性股関節症に対する考え方や施術については、下記のページで詳しくご紹介しています。

変形性股関節症の原因や施術について詳しく見る

※施術による変化には個人差があります。本症例は一例であり、同様の結果を保証するものではありません。

この記事の執筆・監修者

ひこばえ整骨院 院長 齋藤克也

齋藤 克也

ひこばえ整骨院 院長

柔道整復師(国家資格)

ひこばえ整骨院では、院長の齋藤克也が患者さんの身体の状態を確認し、施術まで一貫して担当しています。

当サイトの症例記事では、実際に来院された患者さんの経過をもとに、来院時のお悩み、身体の状態、施術の考え方、その後の変化についてご紹介しています。

症状名や画像上の所見だけで判断するのではなく、「どのような動作で困っているのか」「日常生活で何ができなくなっているのか」まで確認することを大切にしています。

2019年には、セルフケアや身体の使い方についてまとめた書籍を出版。現在も臨床に携わりながら、患者さんに身体の状態をできるだけ分かりやすく伝えることを心がけています。