
症例の概要
70代女性、Kさんの顎関節症の症例です。
半年ほど前から顎に痛みを感じるようになり、来院時には口を開けようとしても指2本分ほどで痛みが出る状態でした。
食事にも大きな影響があり、喉越しのよいものや麺類を中心に選び、普通の食事をするときには細かく刻んで、できるだけ顎に負担がかからないようにしていました。
歯科でマウスピースを作成したものの悩みが残っており、インターネットで当院を見つけて来院されました。
「普通に食事ができるようになりたい」という希望があり、身体の状態を確認しながら施術を開始しました。
患者さん
Kさん 70代女性
来院:平成30年1月
来院時のお悩み
Kさんが特に困っていたのは、顎の痛みそのものだけではなく、口を十分に開けられないことで食事が制限されていたことでした。
- 口を指2本分ほど開けると顎が痛む
- 普通の食事をそのまま食べることが難しい
- 喉越しのよいものや麺類を中心に食べている
- 食べ物を細かく刻んで食べている
- 外食をしても楽しめない
「普通に食事が取れるようになりたい」ということが、Kさんの大きな希望でした。
これまでの経過
半年ほど前から顎に痛みを感じるようになり、徐々に口を大きく開けることが難しくなっていました。
一度歯科を受診し、マウスピースを作成して使用していましたが、口の開きにくさや食事のしづらさが残っていました。
そのためインターネットで他の方法を調べ、当院を見つけて来院されました。

当院で確認した身体の状態
顎の状態だけではなく、全身の状態を確認しました。
その結果、Kさんには身体が右方向へねじれた状態と、左右の肩甲骨の位置の違いがみられました。特に左側の肩甲骨の位置に特徴がありました。
また、肩甲骨の位置を変えることで口の開き方にもその場で変化がみられました。
この反応から、今回のKさんについては、顎だけではなく身体のねじれや肩甲骨の位置、首の動きなども顎の症状に関係している可能性があると考えました。
施術の考え方
初回は顎への施術を中心にするのではなく、身体のねじれや肩甲骨の状態を確認しながら施術を行いました。
左側の肩甲骨の位置を変えた際、その場で口の開き方にも変化がみられたため、顎だけを施術するのではなく、身体全体のバランスをみながら進めることにしました。
施術では、身体のねじれ、左右の肩甲骨の動き、首の動きを確認しながら、その時点の状態に合わせて対応しました。
また、自宅では姿勢を意識することや肩甲骨のストレッチを行っていただきました。
施術後の経過
初回
初回は、顎そのものへの施術はほとんど行わず、身体のねじれや左側の肩甲骨を中心に施術しました。
左側の肩甲骨の位置を変えると口の開き方にも変化がみられ、指2本程度まで開けられるようになりました。
この時点では早めに状態を確認していくため、2日に1回程度のペースで来院していただくことになりました。
2〜4回目
2回目には、指2本分ほど口を開けた際に感じていた痛みが軽減し、違和感程度になっていました。
3回目にはさらに痛みが軽減し、それまで細かく刻んでいた麺類も、以前ほど細かくしなくても食べられるようになったとのことでした。
4回目には、指2本分口を開けても痛みをほとんど感じなくなり、久しぶりに外食ができたと話されていました。
一方で、それ以上大きく口を開けるとまだ痛みがあったため、肩甲骨の動きや身体のねじれ、首の動きを確認しながら施術を継続しました。
5〜8回目
この頃には、痛みは来院当初と比べて半分程度になっていました。
普段の食事はほぼ通常通り取れるようになっていましたが、大きく口を開けたときや硬いもの、お肉など噛み切りにくいものを食べたときには痛みが残っていました。
身体のねじれには変化がみられていましたが、左側の肩甲骨の位置にはまだ特徴が残っていたため、施術とあわせて自宅で行うストレッチについても再度確認しました。
9〜10回目
9回目を終えた頃には、痛みはほとんど気にならない程度になっていました。
食事の際にもほとんど痛みを感じず、口は指2本半程度まで開けられるようになっていました。
10回目までには、以前から一緒に外食をしていた友人と久しぶりに食事へ行き、普通に食事を取ることができたとのことでした。
通常でも指2本半程度まで口を開けられるようになり、状態によっては3本近くまで開くようになっていました。
普段の生活で口の開きにくさや食事のしづらさをほとんど感じなくなったため、10回目で今回の施術を一区切りとしました。
その後は状態を確認する目的で、1か月に1回程度の施術を予定しました。
院長の考察
今回の症例で特に重要だったのは、顎に痛みがあるという理由だけで、顎だけをみなかったことです。
Kさんの場合、身体を確認すると右方向へのねじれや左側の肩甲骨の位置に特徴があり、さらに肩甲骨の位置を変えることで、その場で口の開き方にも変化がみられました。
そのため今回の症例では、顎の状態だけではなく、身体のねじれや肩甲骨、首の動きも関係している可能性があると考え、全身の状態を確認しながら施術を進めました。
また、Kさんにとって重要だったのは、単純に「顎の痛みが何点になったか」だけではありません。
食べ物を細かく刻まなければならない、食べられるものが限られる、外食を楽しめないということが大きな悩みでした。
施術の経過を見る際にも、口が何センチ開くかだけではなく、「普通の食事ができるか」「外食を楽しめるか」といった日常生活の変化まで確認することが大切だと考えています。
患者さんの写真・直筆の声


※施術による変化には個人差があります。本症例は一例であり、同様の結果を保証するものではありません。
顎関節症でお悩みの方へ
顎関節症による痛みや口の開きにくさがある場合、顎だけではなく、首や肩甲骨の動き、身体全体の状態などもあわせて確認することがあります。
ひこばえ整骨院では、痛みのある場所だけで判断するのではなく、どのような動作で症状が出るのか、食事などの日常生活で何に困っているのかを確認したうえで施術方針を考えていきます。
顎関節症に対する当院の考え方や施術については、下記の症状別ページで詳しくご説明しています。





