朝の起き上がりで腰が痛かった|60代女性の症例

症例の概要

1年ほど前から腰の痛みがあり、徐々に症状が強くなっていた60代女性の症例です。

特につらかったのが朝起きた直後で、腰の痛みで背筋を伸ばすことができず、前かがみになりながら動いていると徐々に楽になる状態でした。

寝ている時にも寝返りをすると腰が痛み、さらに以前からあった首・肩のこりも、最近では振り向くことが難しいほどつらくなっていました。

趣味でダンスをされており、姿勢についても気になっていたため、腰だけでなく身体全体の状態を確認しながら施術を進めました。

患者さん

お名前 K・Aさん

性別 女性

年齢 60代

来院日 平成30年7月中旬

来院時のお悩み

  • 朝起きた直後に腰が強く痛む
  • 起き上がった直後は背筋を伸ばすことが難しい
  • 寝返りをすると腰が痛む
  • 首・肩が痛く、振り向きにくい
  • 姿勢が気になっている
  • 趣味のダンスを続けたい

朝は前かがみになりながら身体を動かしていると徐々に楽になるものの、毎日の起き上がりや夜間の寝返りが負担になっていました。

これまでの経過

腰の痛みは1年ほど前からありました。

前年の秋にも一度痛みが強くなり、2か月ほど整体へ通っていたそうです。

その後は仕事が忙しくなり、痛みも一時的に落ち着いていたため、特に施術などを受けずに過ごしていました。

しかし再び腰の症状が気になるようになり、「今のうちに身体を整えておきたい」と来院されました。

また、もともと慢性的な首・肩のこりがありましたが、来院時には振り向く動作にも痛みを感じる状態になっていました。

当院で確認した身体の状態

腰だけではなく、立った時の姿勢、骨盤周辺の動き、背中の筋肉の状態、重心などを確認しました。

今回の患者さんでは、腰を反らせて胸を張り、背中に力を入れて姿勢を保とうとする特徴がみられました。

また、骨盤周辺には左右で動きの違いがあり、腰から背中にかけても緊張が強くみられました。

立った際には身体の外側へ体重をかけやすい特徴もありました。

ご本人はダンスをされていることもあり、普段から「姿勢を良くしよう」と意識されていました。

しかし今回の症例では、姿勢を意識するあまり背中や腰に力が入りやすくなっていたため、力を入れて姿勢を作るのではなく、できるだけ自然に立てる身体の使い方も確認する必要があると考えました。

施術の考え方

初回は、腰やお尻、背中周辺の緊張を確認しながら施術を行いました。

さらに、左右で動きに違いがみられた骨盤周辺や仙腸関節付近についても、身体の状態を確認しながら動きをつけていきました。

首・肩については、首だけを見るのではなく、肩甲骨や背中周辺の動きも含めて確認しました。

また、今回特に大切にしたのが姿勢です。

頭が前へ出やすい状態や、姿勢を正そうとした時に背中へ必要以上に力が入りやすい状態がみられたため、「力を入れて姿勢を作る」のではなく、力を抜いて立つ感覚を覚えていただくようにしました。

施術後の経過

2回目|朝の腰痛は残るものの身体の動きに変化

2回目では、初回と比べて身体の動きは出ていましたが、朝起きた時の腰の痛みはまだ残っていました。

首については左へ振り向く動作にはつらさが残っていましたが、右方向へは動かしやすくなっていました。

3回目|朝の腰の痛みが軽くなる

3回目には、ご本人から朝の腰の痛みが以前より楽になってきたとのお話がありました。

首の痛みも軽くなっていましたが、張りや違和感は残っていました。

骨盤周辺の動きにも変化がみられたため、ご自宅でも取り組めるストレッチをお伝えしました。

もともとストレッチを習慣にされていたため、新しいことをたくさん追加するのではなく、優先して取り組んでいただきたい内容を整理しました。

また、立った時に背中へ力を入れすぎないよう、身体の使い方についても改めて確認しました。

4〜5回目|立った時の姿勢にも変化

4〜5回目頃には、立った時の姿勢にも変化がみられるようになりました。

重心も以前より安定していましたが、頭がやや前へ出やすい特徴は残っていたため、その部分を確認しました。

また、足の外側へ体重をかけやすい状態もみられたため、足首や足趾を含めた立ち方についてもお伝えしました。

6〜7回目|長時間座った後に一時的な腰痛

遠出をする機会があり、3時間ほど座り続けたことで一時的に腰の痛みが出ました。

ただし、翌朝に少し痛みを感じる程度だったとのことでした。

姿勢を正そうとすると再び背中へ力が入りやすくなる特徴があったため、腰や背中に力を入れすぎずに立つことを改めて確認しました。

8〜9回目|痛みよりもだるさを感じる程度へ

8〜9回目頃には、強い痛みというよりも「少しだるさを感じることがある」という状態になっていました。

頭が大きく前へ出るような姿勢もみられにくくなり、骨盤周辺の左右差についても初回と比べて変化がみられました。

腰や背中の張りは多少出ることがありましたが、以前ほど強く感じることはなくなっていました。

日常生活でも立ち方や重心を意識できるようになっていました。

10回目|朝の起き上がりを気にせずダンスも楽しめるように

その後は来院間隔を約1か月空けました。

10回目の来院時には、多少のだるさを感じることはあったものの、大きな問題なく過ごせていたとのことでした。

ご自宅でのストレッチや姿勢への意識も継続できていました。

以前のように「朝、腰が痛くて起き上がれない」ということもなくなり、趣味のダンスも楽しめているとのことでした。

最後に身体の状態を確認し、日常生活やダンスにも大きな支障がなかったため、一連の施術を終了しました。

院長の考察

今回の症例で特に確認したのが、「姿勢を良くしようとした時の身体の使い方」です。

患者さんは趣味でダンスをされていることもあり、普段から姿勢を意識されていました。

しかし身体を確認すると、胸を張り、腰を反らせ、背中に力を入れることで姿勢を保とうとする特徴がみられました。

一見すると背筋が伸びているように見えても、ご本人にとっては腰や背中に必要以上に力が入りやすい立ち方になっていました。

そこで今回は、単純に「もっと姿勢を良くしてください」とお伝えするのではなく、どこに力が入っているのかをご本人にも感じていただき、背中の力を抜いて立つ感覚を確認しました。

さらに骨盤周辺や足首、足趾なども確認し、身体全体で無理なく立てる状態を目指しました。

最終的には、来院当初に困っていた朝の起き上がりを気にせず過ごせるようになり、趣味のダンスも楽しめる状態になりました。

今回の症例からも、姿勢は単純に「背筋を伸ばせばよい」というものではなく、その方がどこに力を入れて身体を支えているのかまで確認することが大切だと考えています。

患者さんの直筆の声

朝の起き上がりや寝返りで腰が痛かった60代女性の直筆の感想1

朝の起き上がりや寝返りで腰が痛かった60代女性の直筆の感想2

※患者さん個人の感想です。施術による変化には個人差があり、同様の結果を保証するものではありません。

腰痛でお悩みの方へ

朝起きた時に腰が痛い、寝返りがつらい、長時間同じ姿勢でいると腰がつらくなるなど、腰痛の出方は一人ひとり異なります。

ひこばえ整骨院では、腰だけを見るのではなく、姿勢や骨盤周辺の動き、立ち方なども確認し、日常生活でどのようなことに困っているのかを伺ったうえで施術方針を考えています。

腰痛についての詳しい内容は、下記の症状別ページでご紹介しています。


腰痛の原因や施術について詳しく見る

※施術による変化には個人差があります。本症例は一例であり、同様の結果を保証するものではありません。

この記事の執筆・監修者

ひこばえ整骨院 院長 齋藤克也

齋藤 克也

ひこばえ整骨院 院長

柔道整復師(国家資格)

ひこばえ整骨院では、院長の齋藤克也が患者さんの身体の状態を確認し、施術まで一貫して担当しています。

当サイトの症例記事では、実際に来院された患者さんの経過をもとに、来院時のお悩み、身体の状態、施術の考え方、その後の変化についてご紹介しています。

症状名や画像上の所見だけで判断するのではなく、「どのような動作で困っているのか」「日常生活で何ができなくなっているのか」まで確認することを大切にしています。

2019年には、セルフケアや身体の使い方についてまとめた書籍を出版。現在も臨床に携わりながら、患者さんに身体の状態をできるだけ分かりやすく伝えることを心がけています。