数歩歩くだけでもつらかった股関節の痛み|40代女性の症例

症例の概要

股関節からお尻、太もも、膝にかけての痛みに悩んでいた40代女性の症例です。

4月に入って自宅で筋力トレーニングを始めようとした頃から股関節に痛みを感じるようになり、その後徐々に症状が強くなっていました。

来院時には階段や自転車でも痛みがあり、状態によっては数歩、数メートル歩くだけでもつらい状態でした。また、座っているときや寝ているときにも、身体の角度によって痛みを感じることがあり、日常生活にも支障が出ていました。

2年前に整形外科でレントゲン検査を受けた際には、先天性の股関節脱臼があると説明を受けていました。一方で、その際には関節の破壊や骨の変形は指摘されていなかったとのことでした。

「日常生活を普通に過ごせるようになり、将来的には長時間歩いたりジョギングをしたりしたい」という希望があり、当院へ来院されました。

患者さん

S・Kさん 40代女性 医療事務

来院日:4月中旬

来院時のお悩み

来院時には、股関節だけでなく、お尻から太もも、膝にかけても痛みを感じていました。

  • 数歩、数メートル歩くだけでも痛むことがある
  • 階段の昇り降りで痛みが出る
  • 自転車に乗る動作でも痛む
  • 座っていても身体の角度によって痛みが出る
  • 寝ているときにも痛みを感じることがある
  • 痛みを気にせず長時間歩けるようになりたい
  • 将来的にはジョギングもできるようになりたい

動いているときだけではなく、座っているときや寝ているときにも痛みが出ることがあり、気持ちの面でもなかなか休まらない状態だったそうです。

これまでの経過

痛みを感じ始めたのは4月に入ってからで、自宅で筋力トレーニングを始めようとした頃から股関節に痛みが出るようになりました。

その後、徐々に症状が強くなり、股関節からお尻、太もも、膝にかけても痛みを感じるようになりました。

2年前には整形外科でレントゲン検査を受けており、その際に先天性の股関節脱臼があると説明を受けていました。

一方で、その際には関節の破壊や骨の変形は指摘されていなかったとのことです。

今回、痛みによって日常生活にも支障が出るようになったことから、何とかしたいと考え当院へ来院されました。

当院で確認した身体の状態

来院時には股関節だけではなく、立ち方や歩き方、膝の向き、股関節周辺の筋肉の状態などを確認しました。

歩くときや立っているときに膝が内側へ入りやすく、股関節にも内側へ向きやすい状態がみられました。

また、痛みをかばっている影響もあり、膝が伸びにくく、太ももやふくらはぎにも強い緊張がみられました。

股関節の前側にある筋肉にも硬さがあり、股関節を動かせる範囲が狭くなっていました。

今回の症例では、先天性股関節脱臼を指摘された既往だけで判断するのではなく、現在の股関節の動きや筋肉の状態、立ち方・歩き方なども含めて確認しながら施術方針を考えました。

施術の考え方

初回は、仰向けの状態で脚を曲げたり開いたりする動作にも痛みがありました。

そのため、最初から大きく股関節を動かすのではなく、痛みの状態を確認しながら股関節周辺や太もも、ふくらはぎの緊張を少しずつ整えていきました。

また、施術だけでなく、普段の立ち方や座り方、歩き方についても確認しました。

今回の患者さんでは膝が内側へ入りやすい状態がみられたため、立っているときや座っているときの脚の位置についてもお伝えしました。

自宅では、痛みが強い時期に無理に股関節を大きく伸ばすのではなく、まずふくらはぎなどからストレッチを行い、状態に合わせて太ももやお尻のストレッチを追加していきました。

施術後の経過

初回〜3回目

初回は、仰向けで脚を曲げたり開いたりする動作にも痛みがありましたが、施術後には来院時よりも動かしやすくなっていました。

初回の施術後2日間ほどは痛みが楽になっていましたが、2回目の来院日の仕事終わり頃には再び痛みが出ていました。

ただし、来院前のように常に痛みが続いたり、歩くことが難しくなったりする状態ではなかったとのことでした。

股関節を動かせる範囲にも変化がみられたため、太ももの外側とお尻を伸ばすストレッチを追加しました。

3回目の来院前には、お子さんと買い物へ出かけ、約2時間歩く機会がありました。

1時間を過ぎた頃から股関節や太ももに痛みが出ましたが、休憩中にお伝えしていたストレッチを行うと少し楽になり、その後また歩くことができたとのことでした。

4〜6回目

4〜5回目頃になると、平日の仕事では強い痛みが出ることが少なくなり、帰宅途中に痛みで動けなくなることもなくなっていました。

一方で、疲れてくると太ももより膝の方に痛みを感じることがあり、歩き方について改めて確認しました。

6回目の来院前には、休日に京都へ一日出かける機会がありました。

朝から昼過ぎ頃までは普通に歩くことができ、約5〜6時間は強い痛みを感じずに過ごせていましたが、その後に痛みが強くなり、帰宅後には座っているときや寝ているときにも気になる状態になりました。

数日で少し落ち着いたものの、ここで改めて身体の状態を確認しました。

すると、来院当初にみられた股関節の向きには変化がみられた一方で、股関節の前側からお腹側にかけての筋肉の硬さが強くなっていました。

そのため、その時点の身体の状態に合わせて施術する部分を変更しました。

7〜9回目

施術内容を調整した後は痛みがかなり楽になり、ご本人も安心されていました。

立ち方や座り方も安定してきていたため、この頃からは特に歩き方を確認しながら進めました。

7〜8回目頃には、仕事の後でも膝周辺に多少の張りを感じる程度で、痛みを感じずに過ごせるようになっていました。

9回目までの間には再び一日歩いて外出する機会がありましたが、帰宅後に多少痛みを感じる程度だったとのことです。

その際もストレッチを行って休むと、翌日にはほとんど気にならない状態になっていました。

施術終了時

当初の目標の一つだったジョギングについては、ご家庭の事情もあり、この時点では実際に確認することができませんでした。

一方で、日常生活では痛みを感じることはほとんどなくなり、時々張りを感じる程度で過ごせるようになっていました。

来院間隔を10日程度空けても日常生活に大きな問題が出ていなかったため、一度施術を一区切りとしました。

今後ジョギングなど運動量を増やした際に股関節や太もも、膝の状態に変化が出た場合には、改めて身体の状態を確認するようお伝えしました。

院長の考察

今回の症例では、先天性股関節脱臼を指摘された既往がありました。

しかし、既往だけで現在の痛みを判断するのではなく、実際にどの動作で痛みが出るのか、股関節がどの程度動くのか、立ち方や歩き方がどうなっているのかを確認することが重要だと考えました。

来院時には、膝が内側へ入りやすい立ち方や歩き方、股関節周辺の筋肉の硬さなどがみられました。

また、施術を進める途中で京都へ長時間出かけた際には一度痛みが強くなりましたが、再検査をすると来院当初とは身体の状態が変わっていました。

そこで同じ施術を続けるのではなく、その時点で強くみられた股関節前面の筋肉の硬さを確認し、施術内容を調整しました。

このように、同じ「股関節痛」であっても、施術の途中で身体の状態や痛みの出方が変化することがあります。その都度状態を確認しながら施術方針を考えることが大切だと考えています。

最終的には日常生活で痛みを感じることはほとんどなくなりましたが、当初希望されていたジョギングについては実施できていません。そのため、「ジョギングまで問題なくできるようになった」とはせず、今回確認できた範囲までをこの症例の経過としてご紹介しています。

患者さんの直筆の声

股関節の痛みで来院された40代女性の直筆の感想

先天性の股関節脱臼もあったためか、右膝と右の股関節の痛みがありました。

初めての来院で丁寧な説明と診断をしていただき、治療の開始となりました。

日常生活に支障をきたすほどになってしまいましたので、当初は本当に良くなるのか少し不安もありました。

先生のきめ細やかな丁寧な施術により、回数を重ねるごとにどんどん痛みがなくなりました。

途中で長時間歩いてしまって痛みがぶり返すこともありましたが、その痛みも乗り越えることができ、今では痛みを感じることなく生活しています。

歩き方やストレッチの仕方も教えていただき良かったです。

いろいろとお世話になりました。

※上記は患者さん個人の感想です。施術による変化には個人差があります。本症例は一例であり、同様の結果を保証するものではありません。

股関節の痛みでお悩みの方へ

股関節の痛みでお悩みの場合、痛みを感じている場所だけでなく、股関節の動きや周辺の筋肉、立ち方・歩き方などが関係していることもあります。

ひこばえ整骨院では、診断名だけで判断するのではなく、これまでの経過や現在の身体の状態、痛みが出る動作などを確認したうえで施術方針を考えていきます。

股関節の痛みに対する当院の考え方や施術については、下記の症状別ページで詳しくご説明しています。

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この記事の執筆・監修者

ひこばえ整骨院 院長 齋藤克也

齋藤 克也

ひこばえ整骨院 院長

柔道整復師(国家資格)

ひこばえ整骨院では、院長の齋藤克也が患者さんの身体の状態を確認し、施術まで一貫して担当しています。

当サイトの症例記事では、実際に来院された患者さんの経過をもとに、来院時のお悩み、身体の状態、施術の考え方、その後の変化についてご紹介しています。

症状名や画像上の所見だけで判断するのではなく、「どのような動作で困っているのか」「日常生活で何ができなくなっているのか」まで確認することを大切にしています。

2019年には、セルフケアや身体の使い方についてまとめた書籍を出版。現在も臨床に携わりながら、患者さんに身体の状態をできるだけ分かりやすく伝えることを心がけています。