首の痛み、強い固まった感じに悩まされていませんか?

「強い痛みに悩まされて整形外科に行った。」「手や腕にしびれを感じて病院で診てもらった。」という方も少なくないでしょう。

そこで「頚椎ヘルニア」という診断された方が多いのではないでしょうか。

手術を勧められる、ということは今時ないでしょうが治療は勧められます。

そこで頸椎ヘルニアにはどんな治療法があるのか、そもそも頸椎ヘルニアの原因とは一体何なのでしょう。

今回は頸椎ヘルニアの原因と治療法についてお話していきます。

頸椎ヘルニアとは

そもそもヘルニアとはラテン語の『(体の中の臓器や組織系が)本来の位置から脱した状態』を意味します。

頸椎、腰椎でみられるいわゆるヘルニアは、脊椎の隙間にある椎間板が飛び出したものを言います。

椎間板とは髄核という水分を多く含んだゼラチン状の核が中心にあり、その周りには繊維輪というコラーゲンを多く含む強固な組織で出来ています。

通常、椎間板は脊椎の間のクッションの役割を担い、前後左右捻るなどの動作をしやすくするためにあります。

ですがこの椎間板の繊維輪に細かく傷がついて亀裂が入ると、中のゼラチン状の髄核が出てきてしまいます。それが脊椎の後面を通る神経に触れて痛みやしびれなどの症状を引き起こします。

ではなぜ傷ついてしまうのでしょう。

先ほど述べたように、椎間板は動作範囲を広げる為にあります。

ですが、ただでさえ重力に抗って立った状態を維持しているのに、さらにそこから下を向く、顔を振り向けるなどなどより負荷をかける動作をし続けていると、椎間板に強い圧をかけることになるため繊維輪に傷がつきやすくなり、ヘルニアにつながります。

ヘルニアは可動範囲の広い脊椎の位置で起こりやすく、一番は腰、二番目に首が多いのはそのためです。

もう一点、年齢とともにコラーゲンの繊維が弱ることで繊維輪の部分がもろく変性してしまうことでヘルニアを引き起こしてしまいます。

腰のヘルニアは若者に多いのですが首のヘルニアは中高年層になると増加します。

 

頸椎椎間板ヘルニアに手術はよくないの?

整形や病院に行くと以前は

『手術をしましょう』

と言われる事がとても多かったです。最近はこんな事はなくなりましたが、なぜ手術をする事がすくなくなったのでしょうか?

手術をした後の予後が非常に悪かった

だからです。

手術をした後にしびれが残ったり、痛みが残ったりする事がとても増えてしまいました。

手術をする事で逆に痛みが一生よくならないという事もありました。

だから基本的には日常生活が送る事ができないくらいひどくなければ手術はしません。

もし、簡単に手術をしましょうと言うところはセカンドオピニオンを考えて頂いた方がいいです。

 

痛みの原因はヘルニアだけ?

首コリ、肩凝りで悩まれている人で「昔からヘルニア持ちだから」とおっしゃる方もいますが、頚椎ヘルニアからの症状は長期的に続くものなのでしょうか?

頚椎ヘルニアの症状

  • 首コリ、肩凝り、首肩の痛み
  • 背中の痛み、前胸部痛
  • 腕の痛み、しびれ、握力低下
  • 頭痛、めまい、耳鳴り、ふらつき

このような症状が頚椎ヘルニアでは見られます。

頚椎ヘルニアの症状を出している原因は先ほど述べたように椎間板が飛び出すことで神経を障害しているからです。

飛び出した場所や神経への影響の出方はひとによって様々です。

大体は2年ほどで飛び出した椎間板の髄核部分は、ほぼ水分なので徐々に体内に吸収されていき、ヘルニアの症状自体が1年〜2年で緩和されていきます。

最近では手術の適応になるのは症状がかなりきつい場合です。

例えば日常生活がままならない、歩行障害、膀胱直腸障害がある、4カ月以上経過しても全く症状が緩和しない、などがあるなどの場合、手術になることもある、くらいです。

一番驚きなのが頸椎ヘルニアになっているのに大きな痛みもしびれはなく、肩こりがきつくてレントゲンを見たらヘルニアだった、ということもある話なのです。

これは≪痛みやしびれの原因=頸椎ヘルニアであること≫、ではないことを示しています。

なのでヘルニアがあるからずっと肩や首が凝っていたり、痛みを繰り返していたりするというのはヘルニアとは別の原因があるからなのです。

頸椎ヘルニアの本当の原因

ヘルニアになる時は「突然ヘルニアになった」と思われるかと思いますが、椎間板が飛び出したのが突然起こっただけで、椎間板に負担をかけることを習慣的にずっとし続けてきたために結果としてヘルニアが現れたのです。

つまりヘルニアになった原因から改善することが頸椎ヘルニアの治療につながるということです。

正常だと、立つ、座る、歩くなどの動作、姿勢で基本的に脊椎全体にバランスよく負担がかかるので、広い面積で支え合いができるため負担が分散されます。

ですがそれが少しでもずれてしまうと負担のかかり方が一部分に集中することになります。

普段の姿勢から、頭の位置が中心よりも前にずれてしまっているとどうでしょう。

人間の頭の重さは体重比で8〜10%です。つまり体重50?の人の頭の重さは約5?、となります。

肘を曲げた状態で持つ5?と肘を伸ばさないと届かない位置にある5?、どちらが楽に持てるでしょう。

体の中心より離れていくほどにそれを支える場所の負担が増幅していきます。

首も同様で、猫背のような頭の位置が前方にずれてしまう姿勢が常になってしまうとそれだけ負担が積み重なることで椎間板の一部にかなりのストレスをかけ続けることになります。

つまり普段から首に負担をかけ続けるような姿勢や体の使い方をしていることが頸椎ヘルニアになる本当の原因なのです。

頸椎ヘルニアの治療とは

一般的には整形外科での治療が多いかと思います。

特に急性期のヘルニアの痛み、しびれ、手術の適応か否か、などの判断はMRIなどの画像診断が必要です。

牽引、電気治療、温罨法や痛み止めなどの内服薬で治療を行なっていきます。

これらで改善しないものは神経ブロック注射を行うこともありますが、これはヘルニア自体をなくす治療ではなく、神経の炎症反応を抑えるものです。

ヘルニアの症状が慢性化した状態、ヘルニアになってから2年以上経過している場合になると、飛び出した椎間板は時間の経過とともに体に吸収されていますので、ヘルニアになったことよりもヘルニアになるまでに至った経緯、原因からの治療が必要になります。

猫背姿勢になりやすい、疲れたら背中が丸くなる、顎を突き出すような姿勢になる、など姿勢の癖や普段の体の使い方を改善することがヘルニアの根本的な治療になります。

自分ではいい姿勢のつもりであったとしても、頭の位置が肩や首より前になっていることもあるのです。

単純に胸を張る姿勢が良い、とは限りません。

そういったところから治療することで、結果的に首に負担のかかりにくい状態をつくることは十分可能なのです。

 

治療方法として牽引は効果があるのか

一般的に首が圧迫されてヘルニアになったのだから、引っ張ってその圧迫を解除してあげるとマシになるのではと考えるかもしれません。

しかしヘルニアの原因はご説明した通り圧迫を受けて出てしまったのではなく、姿勢だったり事情の伝え方が悪いことで圧迫が起き我慢の限界を超えてヘルニアが出る場合がほとんどです 。

という事はどれだけ原因で引っ張ったり電気で治療しても症状が改善すると言う事はほとんどありません。

牽引自体が悪いわけではありませんが、痛みやしびれを解消しようと思った時に例の機械でする事はほとんど難しいと思った方がいいです。

 

頸椎ヘルニアの対策

ヘルニアの対策、といっても急激に今の痛みを改善させる方法は正直に言うとありません。

頸椎ヘルニアの場合に避けるべき体勢、気を付け方などの紹介をしていきます。

  • うつ伏せで寝ない。
  • 上を向く、真横に首を倒す、急に首をひねるなどの動作は避ける。
  • 長時間のパソコン、スマートフォンなど画面を見続けることは避ける。
  • 顎を引いた姿勢を心がける。
  • 枕はするが、バスタオルやフェイスタオルで高さの調整をこまめに行う。

以上のことに注意して過ごしていきましょう。

頸椎ヘルニアの治療と対策として重要な姿勢の気を付け方の説明もしていきます。

簡単な姿勢チェック方法

壁に後頭部、背中、お尻、踵を付けた状態が正しい姿勢に最も近くなります。

 

 

正しい立ち方

 

顎を引いて肩の力は抜きます。

背中や腰に力はいれず、頭のてっぺんから糸で吊られているようなイメージで背筋を伸ばします。

お尻の穴を締めるように軽く力を入れて維持します。

 

正しい座り方 椅子編

椅子に座る時はできるだけ背もたれにお尻をくっつけるように深く座ります。

そうすることで骨盤が後ろに倒れにくくなるので背中が丸まらず、猫背の予防ができます。

 

正しい座り方 床編

正座で座ることがベストです。

胡坐や足を投げ出して座る場合、椅子の時と同様背もたれのあるところにお尻から背中を預けるようにして座ります。

背中が少しでも丸くなっているとそれは首の負担のかかる度合いと比例します。

基本的に気を付けるポイントは猫背にならないよう顎を引いて頭の中心をいつもより後ろに引くように意識しておきましょう。

ストレートネックや首の骨自体の動きがわるくなっていると、この顎を引いたり頭を後ろに引いたりすることが痛くてできない場合もあります。

そうなると矯正から必要になりますのでまずはご自身のお体の状態を専門機関で確認してもらいましょう。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?

頸椎ヘルニアの治療には普段からの姿勢から気を付ける必要があります。

頸椎ヘルニア自体が治ることはありません。つまり飛び出した椎間板が元通り形成されることはないのです。

そのため頸椎ヘルニアになった部位は椎間板がなくなりクッション性が低下したままです。

そうなると負担のかかる場所は集中し、凝り感や痛みを引き起こします。

特に放っておいて治ることはなく「慣れる」のです。

その負担を少しでも和らげるために対策、予防のメンテナンスをしっかり行う必要があります。

頸椎ヘルニアの治療を受けてもあまり変化がない、改善されない、という場合はもしかしたらそういった姿勢や普段の体の使い方が改善されていないからかもしれません。

もしそういったことでお悩みのようであれば是非一度、ひこばえ整骨院にご相談ください。

 

ひこばえ整骨院の頸椎ヘルニア施術の手順

ひこばえ整骨院では頸椎ヘルニアの治療を得意としています。

首やヘルニアを見るだけではなく、全身を診ていきます。

最短であなたの椎間板ヘルニアを改善します。

詳しくは下記をご覧下さい。

骨盤ダイエットを受けたい方

 

執筆者

ひこばえ整骨院 院長 齋藤 克也(監修)

柔道整復師(国家資格保持者)

業界歴16年。

18歳の頃から整骨院1筋で西宮市で痛みに悩まれている方のお役に立てる様に日々精進中。

現在ストレッチの本を執筆中。年内に発売予定。